優秀な若手は「転職至上主義」ではない……?
次に、20代の若者が転職についてどう考えているのかを見ていきたい。図表3から浮かびあがってくるのは、全般的に転職に対して肯定的傾向が強まっていること、また、転職に対する世代間ギャップが緩やかに縮小しているものの依然として世代間ギャップは残っているということである。転職を積極的に肯定する若者とそこまでは積極的に捉えていない上の世代のギャップがある。
しかし、興味深いことに、20代の若者は転職に対して積極的に捉えながらも、現在の勤務先をすぐに辞めようとは思っていない(図表4)。20代では「継続して働きたい」と「他の会社に転職したい」という回答割合がほぼ同じになっている。20代の若者は現在の職場で働き続けたいと思っているが、転職や独立・企業も視野にいれているのだ。一方で、上の世代は年代が上がるほど今の職場でそのまま働き続けたいと考える割合が高くなる。
それでは、20代のハイパフォーマーの若者は転職に対してどう考えているのだろうか。それを見たのが図表5である。ハイパフォーマーの若者は「他の会社に転職したい」「独立・起業したい」と考える割合が最も高い。
しかし、同時に「継続して働きたい」と考える割合も最も高くなっている。高いパフォーマンスを発揮できている今の職場に居心地のよさを感じながらも、高いパフォーマンスを発揮できているがゆえに他の会社でも「勝負」をしたいと考えているのではないだろうか。
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