人材を育て、営業成果を出すために必要な「PDS」とは:実践セールス・イネーブルメント(1/3 ページ)
営業の成果と育成をつなぐ方法について具体的に解説します。継続的な仕組みにするためにPDSサイクルの全体像を把握し、具体的な回し方を学ぶ必要があります。
本記事は、書籍『トップセールスだけに頼らない組織を作る 実践セールス・イネーブルメント データを活用した必勝パターンの設計から、育成施策・ナレッジ活用、効果検証まで(著・山下貴宏、翔泳社)』の中から一部抜粋し、転載したものです。
「営業成果」と「育成」をつなぐフレームワーク
ここでは営業の成果と育成をつなぐ方法について具体的に解説します。まず全体像を押さえておきましょう。「営業成果を出すための行動(営業活動)」と「適切な行動をとるためのスキル/知識の習得(営業の育成)」の2つの流れとして上段と下段に分けます。
組織の中で継続的な仕組みとして回していきますので、一般的なマネジメントサイクルである「Plan(計画)」「Do(実行)」「See(検証)」(PDSサイクル)を横軸にとります。結果、上下で合計6つの箱ができます。
セールス・イネーブルメントは左上のPlanからスタートして、上段と下段それぞれの箱をつないでいき、最終的には上段と下段それぞれのSeeで得られるデータをもとに効果を検証する取り組みになります。上段と下段それぞれについて解説します。
営業成果を出すための行動(営業活動)の流れ
上段の流れは、営業成果を出すための行動(営業活動)です。一般的な営業組織のマネジメントサイクルをイメージしてください。
例えば、今期の営業組織の数値目標が設定され、各営業チーム個人に目標金額が振り分けられ(Plan)、営業が担当顧客にアプローチして日々の商談を進め(Do)、売上進捗をSFAなどで確認しながら目標金額を達成していく(See)、といったサイクルです。皆さんの営業組織でも多かれ少なかれ該当すると思います。
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