大絶賛の世界1位スタート 実写版『ワンピース』が日本のマンガの世界への扉を開く(1/3 ページ)
実写版『ONE PIECE』がNetflixで公開され、米国の映画批評サイトでは一般視聴者のレビューの平均スコアが95%という高スコアを記録するなど世界中で大きな注目を集めている。この事例から分かる日本のマンガの可能性を考察する。
この記事は、Yahoo!ニュース個人に9月2日に掲載された「大絶賛の世界1位スタート 実写版『ワンピース』が日本のマンガの世界への扉を開く」に、編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。
筆者プロフィール:
徳力基彦(とくりき・もとひこ)
noteプロデューサー/ブロガー
新卒で入社したNTTを若気の至りで飛び出して、仕事が上手くいかずに路頭に迷いかけたところ、ブログとSNSのおかげで人生が救われる。その際の経験を元に、書籍「普通の人のためのSNSの教科書」(朝日新聞出版)を出版。noteやSNSを活用したビジネスパーソンのキャリア構築や、企業の広報やマーケティングのサポートを行っている。
Twitter:@tokuriki、公式サイト:徳力基彦(tokuriki)
いよいよ実写版『ONE PIECE』がNetflixで公開され、世界中で大きな注目を集めています。Netflixでの配信が開始したのは、日本時間で8月31日の午後4時でしたが、その反響は素晴らしく、米国の映画批評サイトではなんと一般視聴者のレビューの平均スコアが95%という圧倒的に高いスコアを記録。
(参考記事:実写版『ONE PIECE』に絶賛の嵐 批評家も高評価)
さらに、Netflixのランキング集計サイトでは、いきなりTV番部門で世界1位に躍り出る結果に。
この集計サイトのデータによると、なんとNetflixが配信されている93カ国でトップ10入り、しかも59カ国で1位という素晴らしいスタートとなっています。
日本のドラマとしては『今際の国のアリス』のシーズン2が、公開初日から87カ国でTOP10入りし、世界全体でもTV番組部門の3位に入る快挙を成し遂げたのが記憶に新しいところですが、今回の『ONE PIECE』はそれをも大きく上回るロケットスタートに成功したことになります。
(参考記事:世界3位の快挙を成し遂げた「今際の国のアリス」に学ぶ、日本の映像コンテンツの底力)
日本アニメ実写化のトラウマを払拭
ハリウッドによる日本のマンガやアニメの実写化においては、過去にさまざまな失敗やトラブルがあったこともあり、今回の『ONE PIECE』に関してもさまざまな懸念が議論されてきました。
(参考記事:実写版「ワンピース」は、漫画の実写化における「ドラゴンボールの悪夢」を振り払うことができるか)
ただ、筆者も8話を全話視聴しましたが、事前の懸念を吹き飛ばす素晴らしい出来だと断言できます。
もちろん、実写ということもあり、マンガやアニメでもファンの多い変顔やギャグシーン、また滝のように涙を流すシーンなどは再現できません。
また、アニメのルフィの必殺技の迫力や効果音を前提に視聴すると、若干違和感を持つ方もいるかもしれません。
ただ、それらは全て実写だからこその違いとして納得できるものであり、ある意味のシリアス版『ONE PIECE』として、シンプルに原作の人間模様や感情にフォーカスし、心揺さぶられる大人向けの作品として完成されていると言えます。
特に今回の作品は、撮影終了後も、原作者の尾田栄一郎さんがダメ出しをして撮り直しをしたことが明らかになっています。
(参考記事:『ONE PIECE』原作者、尾田栄一郎がNetflixによる実写映像化を受け入れた理由)
その結果、尾田さんも明確に完成度に太鼓判を押せる作品になっているわけです。
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