大絶賛の世界1位スタート 実写版『ワンピース』が日本のマンガの世界への扉を開く(2/3 ページ)
実写版『ONE PIECE』がNetflixで公開され、米国の映画批評サイトでは一般視聴者のレビューの平均スコアが95%という高スコアを記録するなど世界中で大きな注目を集めている。この事例から分かる日本のマンガの可能性を考察する。
1話あたりの制作費は約26億円
今回の『ONE PIECE』がここまでの完成度になっているのには、当然Netflix側が本気で『ONE PIECE』をプッシュしているからという背景があります。
なにしろ、この『ONE PIECE』の制作費は1話あたり約26億円と、Netflix作品史上最高額だと言われています。そのクオリティの高さは、予告編を見て頂くだけでも伝わるはずです。
これは、アメリカのHBOの看板番組として知られる『ゲーム・オブ・スローンズ』や、それに対抗してAmazonが制作した『ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪』などに劣らない規模の予算になります。
日本では、TBS制作の『VIVANT』が1話あたり1億円の制作費をかけたことで話題になっていますが、もはや世界の看板ドラマの制作費はその10倍以上の水準になっているのです。
(参考記事:今夏ドラマで独走の『VIVANT』、TBSはなぜ破格の制作費をつぎ込めた)
Netflixが『ONE PIECE』にここまで本気の予算を投下するには、現在の看板番組の一つである『ストレンジャー・シングス』が2024年夏配信予定のシーズン5で完結する予定である点が影響しているといわれています。
つまり、Netflixの実写版『ONE PIECE』には、将来のNetflixの看板番組になることが期待されているわけです。なにしろ、原作のマンガ『ONE PIECE』は、すでに100巻以上にわたる長い連載シリーズです。
今回のNetflixの実写版ではマンガの11巻までが描かれていますが、優にシーズン10まで続けられるストーリーがすでにあることになります。
Netflixにとっても、激化する動画配信サービスの会員獲得競争において重要な、独占配信の看板番組の一つとして『ONE PIECE』に巨額な投資をするメリットが十分にあるといえるわけです。
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