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トップ3も過去の話 なぜ恵比寿は「住みたい街」常連から陥落したのか:2年連続4位(2/2 ページ)
住みたい街ランキングで、10年近くトップ3を独占していた横浜・吉祥寺・恵比寿のうち、恵比寿が4位に転落した。なぜ恵比寿は、住みたい街の常連から転落したのか。住まいと街の関係に詳しい、東京情報堂の代表を務める中川寛子氏に話を聞いた。
長引くコロナ禍の影響
恵比寿ガーデンプレイスの登場により、恵比寿は下町情緒ある街からおしゃれな街へとイメージを変えていく。こうしたイメージの変化を牽引したのが飲食店の増加だ。「飲食店の中でも、その当時は珍しかったエスニックなど変わったジャンルの店を実験的に出しやすい街でした」(中川氏)
恵比寿の街の魅力トップ10でも「雰囲気のいい飲食店」が上位になっている。しかし、これがコロナ禍であだとなってしまった。「コロナ禍の外出自粛により地元回帰が進みました。加えて飲食以外に遊ぶ・買うといった要素が少ない恵比寿は、わざわざ行くほどの街ではなくなってしまい、その影響が今も続いています」(中川氏)
同じくコロナ禍で落ち込んだ街に新宿があるが「SUUMO住みたい街ランキング2023 首都圏版」では、7位から5位にランクアップするなど復活している。街の魅力トップ10を見ると「魅力的な働く場」「文化・娯楽施設」「街ににぎわいがある」など多様な項目が上位に並んでいる。要素が多い新宿と、要素が少ない恵比寿、コロナ禍を経てその差が顕著に出たようだ。
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