既存顧客に依存してない? 新規開拓できる営業マンが育つ組織に変える、3つのアクション(3/3 ページ)
新規顧客を作らなければいけないと分かってはいるが、つい目の前の既存顧客にばかり時間を割いてしまう……。こういった悩みを抱える営業パーソンは多いのではないか。今回は新規開拓できる営業マンが育つ組織に変える、3つのアクションを紹介する。
重要なのは「自らの事業を考える」こと
新規顧客を獲得する営業組織になるために必要なアクションについてご紹介してきましたが、なかでも「組織のあるべき姿を言語化すること」が全ての出発点となります。最後に、組織のあるべき姿を考える上でヒントとなる考え方をご紹介します。
なぜアメリカの鉄道は廃れたか?
ビジネスの世界ではよく教材となる問いです(興味のある方はぜひ調べてみてください)。
あるべき姿を考えるとき、同時に「自分たちは何屋さんなのか?」を考えることが重要とされています。
自社の事業をどう解釈するのかを、問うてみてください。八百屋さんは野菜を売ることが仕事なのでしょうか? 車屋さんは車を売ることが仕事なのでしょうか?
阪急電鉄は自らを鉄道会社とは定義しませんでした。
当時の鉄道は、移動したい人が集まる場所に敷設することが常識でした。しかし阪急電鉄は、鉄道を敷設することで需要を生み出せるのではないか? 後から需要を創ることは可能なのではないか? という逆説的な思考から、「人が移動する理由」と向き合いました。
そして至った結論が、都市部ではなく郊外に住んで電車通勤をする、現在の郊外型住宅の考え方です。さらには当時、土地や住宅の購入には一括払いが一般的でしたが、費用の2割を払い、残りの8割を10年かけて月賦で支払い、完済すれば所有権を移転するという方法で販売することにしました。
これが日本初の住宅ローンを活用した戸建て住宅地の分譲販売の歴史です。これによって、まとまった資金のない庶民であっても、住宅を購入することが可能になり、一気に郊外に人が移り住む一つの理由となりました。
「私たちが世の中に提供できる価値は何か」と、これを機に考えてみるのも良いのではないでしょうか。
まとめ
「既存顧客に依存してない? 新規も開拓できる営業マンが実践する3つのアクション」 というテーマでいろいろと考察してきましたが、本件は営業パーソン個人の力ではどうにもできないことも多分にあると言えるでしょう。
組織が一体となり、本気でゴールへ向かうための手段を考えやりきることは、たやすいことではありませんが、実は難しいことでもないのではなかろうかと筆者は思います。事業と組織について本気で考える人が増えることで、少しでも良い成果につながり、世の中が豊かになっていくことを願っております。
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