法律相談、人間よりAIの方がしやすい? リーガルアイが目指す司法の“創造的破壊”:生成AIスタートアップの挑戦(2/2 ページ)
法律相談は実際の人間には相談しにくい――。そんな問題意識から、生成AIを活用したAI法律相談サービスを提供しているリーガルアイ。同社が描く「AI司法」の形とは。
Q. 顧客はどんな恩恵を受けられるのか
法律トラブルや法律相談は、意外と「本物の人間」には、しにくいものです。
例えば、夫婦間の離婚の問題、不貞、浮気、借金問題、遺産相続などプライバシーに関わる問題で、初期段階では家族や友人であっても、他人に相談しにくく、また身近に弁護士の知り合いなどもいない可能性があります。
DV、レイプ、性犯罪に巻き込まれたり、自分が何か犯罪を犯してしまったかも、という不安を人に打ち明けるのはとても勇気のいることです。
そうした面からも「AI弁護士」は、法律相談で悩んでいる一般の人たちの「最初に疑問に即座に答える」ニーズをつかんでいます。
また「AI弁護士」は後ろに本物の弁護士が控えているため、本当にトラブルを解決したいと思ったときは、本物の弁護士にすぐ相談できます。
Q. 自社のサービスの強みは
「AI弁護士」の理上愛子が当社の強みを回答します。
Q:AI弁護士の強みを300文字以内で回答ください
A:AI弁護士は情報の処理速度が非常に速く、膨大な法律データベースを瞬時に検索できます。また、人間が疲れやミスを犯すことがなく、24時間365日いつでも利用可能です。さらに、人間には難しいパターン認識や相関分析を行い、未知の法的問題への対応を予測する能力も持っています。これにより、厳密で高速、かつ広範な法的支援を提供することが可能となります。
Q. 著作権侵害や個人情報保護など生成AIがもたらすリスクへの対処は
個人情報を収集していませんし、著作権に関わるものは生成していません。当社が抱えている法的な問題があるとしたら、弁護士以外が報酬を得て法律事務を扱うことなどを禁じる弁護士法第72条や74条です。
その点に関しても当社は、弁護士ではないため、この業界を破壊するつもりで司法AIに取り組んでいます。イノベーションとは既存の仕組みを破壊することから始まります。
Q. 生成AIに今後どんなビジネスチャンスがあると考えるか
当社は「AI弁護士」だけをやっているのではなく、人格をもたせたAIプラットフォームを構築しており、弁護士外にも無数のAI(人間の分身)を創造しています。
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