コロナ禍で就活に「ポジティブな影響」なぜ? 学生の7割が実感
RECCOO(東京都渋谷区)による「24卒学生6月就活動向調査」によると、24年卒の7割近くが、コロナ禍によって就活に「ポジティブな影響があった」と回答したことが分かった。
2024年卒業の学生は、大学入学前に新型コロナウイルスの感染が拡大し、コロナ禍で学生生活を送ってきた。企業の採用支援を手掛けるRECCOO(東京都渋谷区)が実施した「24卒学生6月就活動向調査」で、24年卒の7割近くが、コロナ禍によって就活に「ポジティブな影響があった」と回答したことが分かった。その理由とは?
学生が考える「ポジティブな影響」とは?
新型コロナウイルス感染拡大によって、就活に「ポジティブな影響があった」(20.9%)、「どちらかといえばポジティブな影響があった」(46.7%)と回答した人は、合わせて7割近くに上った。
回答者からは「オンライン面接が多く、交通費や移動時間の心配がなかった」「オンラインでインターンや面接に参加できて、留学中でも選考に参加できた」といった理由が寄せられた。一方で「インターンなどでオフィス対面での実施が厳しくなり、会社の雰囲気が分かりにくい」といった意見も見られた。
内定承諾後に内定辞退することについて、34.5%が「抵抗がない」と回答。また、実際に経験がある人は30.5%だった。
RECCOOは「『大手志向』の進行で、大手企業の選考結果が出そろうまでは最終的な意思決定をしない学生が年々増加し、早期に獲得した内定を回答期限内にいったんは承諾するものの、大手企業から内定が出てから辞退を申し入れる動きが見られる」と分析した。
また、オンライン就活の浸透で企業と学生の関係性が希薄化した点を指摘。「十分なコミュニケーションを取らないまま内定を提示され、回答期限を迎えた時点で機械的に承諾する学生も少なくない。関係性が希薄で内定辞退に対して罪悪感を持ちづらい環境になっている」とコメントした
就活に対して、44.9%の学生が「効率良く就活を進めたい」と回答。効率良く、最大の成果を求めたいという「タイパ(タイムパフォーマンス)」を重視する傾向が見られた。
調査は6月19日〜7月9日にインターネットで実施。2024年度卒業予定学生1071人から回答を得た。
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