「ミニ四駆」に一度敗北……「ゾイド」飛躍の歴史 40年愛される2つの理由:あの話題は今(4/5 ページ)
人気玩具「ゾイド」が40周年を迎えた。初代シリーズは売り上げが低迷。失敗を糧に平成に発売したシリーズ(第2期)はテレビアニメの放送とともに一時代を築いた。プロジェクト担当者にゾイドが愛される理由と事業の今後を取材した。
アニメ制作で女性ファン増加
発売64年の「プラレール」、同53年の「トミカ」、同56年の「リカちゃん」と並び、タカラトミーを代表するIPとなっているゾイド。内藤係長にゾイドが長く愛される理由を聞いたところ、大きく2つの要因を挙げた。
1つ目がアニメの存在だ。毎日放送(MBS)が製作したシリーズ初のアニメ『ゾイド -ZOIDS-』(99〜2000年)は、アニメスタジオのジーベックが手書きのアニメーションと、当時の最新技術だった3DCGを組み合わせるという手法でゾイドの世界を描いた。この手法は画期的で、同作品は現在でも名作として語り継がれている。
内藤係長は同作品について「ゾイドはディテールが細かいのが特徴。当時の主流だった制作方法で描くのが難しく、CGモデルを使った制作が適切と判断した。今見ても、見劣りしないクオリティーの作品」と話す。
初代の作品では、金属生命体ゾイドと人間が共存する架空の惑星「Zi」を舞台に、主人公バン・フライハイトが、記憶を失った古代ゾイド人の少女フィーネの記憶を取り戻す旅を描いている。
アニメの制作によって、ファン層の拡大にもつながった。ゾイドの従来の主要ターゲットは男性だったが、初代作中の「アーバイン」「レイヴン」といった男性キャラの登場によって、女性ファンが増えたのだ。
大阪で開催された「ゾイド展」(5月26日〜6月19日)では、来場者全体の約6割程度が女性だったという。また、アニメの存在によって、ゾイドだけでなく、アニメの関連商品も売れ、会場の物販では1人で20万円分を購入するケースもあったという。
関連記事
- 実は米国生まれ 人気玩具「ゾイド」が歩んだ40年の歴史
人気玩具シリーズ「ゾイド」が40周年を迎えた。「動くプラモデル」として、長年、市場で存在感を示してきたが、実は米国生まれの商品。ゾイドはどのような歴史を歩んできたのか。その歴史を振り返る。 - 初代『ゾイド』、地上波で24年ぶり再放送 誕生40周年、根強い人気
タカラトミーの人気玩具シリーズ「ゾイド」の初アニメ作品『ゾイド -ZOIDS-』を東京MXが再放送している。1999年の放送から、地上波では24年ぶりの再放送となる。シリーズ40周年を記念した取り組みの一環。 - 1年越し「奇跡のコラボ」、BANDAI SPIRITSとタカラトミー 超合金×ゾイド、トミカ×ガンダムを来年発売
BANDAI SPIRITSとタカラトミーは6月16日、両社初のコラボプロジェクト「Dream Together-つながる想い、ともに創る夢-」を、玩具の展示会「東京おもちゃショー2022」で発表した。超合金とZOIDS(ゾイド)、トミカと機動戦士ガンダム──といったように、玩具業界を代表する両社が、商品ブランドや人気コンテンツのコラボを進めていく。 - 12年ぶりに復活「ゾイド」は“ワイルドさ”で現代っ子の心をつかめるか
動物や恐竜がモチーフの組み立て式玩具「ゾイド」が12年ぶりに復活する。かつて高い人気を獲得した旧シリーズとは、どんな点が異なるのか。マーティング担当者に話を聞いた。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.