「ミニ四駆」に一度敗北……「ゾイド」飛躍の歴史 40年愛される2つの理由:あの話題は今(3/5 ページ)
人気玩具「ゾイド」が40周年を迎えた。初代シリーズは売り上げが低迷。失敗を糧に平成に発売したシリーズ(第2期)はテレビアニメの放送とともに一時代を築いた。プロジェクト担当者にゾイドが愛される理由と事業の今後を取材した。
近年は大人向け商品販売
これまで、リアルムービングキット(組立式駆動玩具)として販売してきたゾイド。子ども向けだったことから、商品の多くが2000〜5000円前後の価格帯だった。だが、40周年を迎えた今年は、1万円台の商品を販売している。少子化の進行を背景に、ターゲット層を購買力が高い大人にシフトしたからだ。
内藤係長によると、メインの購買層が30〜35歳の男性だという。第2期のテレビアニメを見て育った世代だ。40周年プロジェクトの大テーマが「ファンへの感謝」だというゾイド。初代アニメの主人公バン・フライハイトの愛機として登場し、シリーズ史上最高の売り上げを記録した「ブレードライガー」を、ハイエンドモデルとして販売した。アニメを放送した当時のモデルから作中デザインとギミックを改良。価格も1万1000円と設定した。
ハイエンドモデルでは本物のライオンらしい歩行になるよう脚の各関節の動きを突き詰め、生命感あふれるようにした。作中のブレードライガーに近づけるため、目や胸部の「ゾイドコア」(ゾイドの生命体の核)がLEDで点灯するようにし、作中再現度を高めた。
現時点で40周年商品としては、ブレードライガーの他、「ライガーゼロ」(1万4800円、9月下旬発売)、「ムラサメライガー」(1万4300円、2024年1月発売予定)の商品化を発表している。
価格設定について内藤係長は「今のプラモデル市場には大人向け商品がたくさんある。そこである程度勝負するには、高いクオリティーが必要」と前置きし「ゾイドファンに納得してもらうためにカッコよさやクオリティーを上げなければいけなかったし、モーター駆動なので通常のプラモデルよりもどうしても高くなってしまう。そうした中でのブレードライガーの1万円余りはかなり頑張った」と話す。詳細は明かせないものの、第1弾のブレードライガーの販売は好調だという。
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