普通のカフェが2人で1万円! ニューヨークで分かった「安すぎるニッポン」の現在地:激しい日米“格差”(1/6 ページ)
物価が高いと有名なニューヨーク。著者が実際に行った経験を基に、日本との格差がどれくらいなのかを解説。まだまだ「安いニッポン」だが、手放しで喜べない理由もありそうで……。
先日、仕事でニューヨークへ行ってきました。米国の最新流通事情を視察するのが主な仕事でしたが、合間に何回か食事をして物価に驚きました。ニューヨークの物価は高いと聞いてはいましたが、想像以上。日本の飲食事情がいかに安く、そしておいしいものにあふれているか気付く機会となりました。
賃金も高いとはいえ、飲食価格も高いニューヨーク、そして米国。賃金が安く、飲食価格も安い日本とは対照的です。今後、日本も米国のように飲食価格は上がっていくのでしょうか。そして、そのときには賃金も上がるのか、あるいは日本独自の道を歩むのか。消費トレンドを追いかけ、小売り・サービス業のコンサルティングを30年以上にわたり続けているムガマエ代表の経営コンサルタント、岩崎剛幸が分析していきます。
ラーメン1杯3000円、カフェは2人で1万円?
ニューヨークに行った大きな目的は流通事情の視察ですが、日本とどれほど物価差があるのかを肌で感じたい思いもありました。こればかりは、現地に行かないと実感できません。
「大戸屋のニューヨーク店は、さば塩焼き定食が4000円近くする」「一風堂など日本のラーメン店は3000円以上するのが当たり前」「カフェに朝食を食べに行ったら、2人で1万円近くして驚いた」――など、ニューヨークに行った知り合いからこの手の話を何度も聞いてきました。
以前から飲食価格が高いと話題のニューヨークですが、物価高と円安傾向が続く昨今、さらに拍車がかかっているようです。5年前にニューヨークへ行った際には、実際にラーメン1杯で2000円ほどでした。「高いなあ」と思っていたのですが、今やその程度の金額では食べられないのです。今回ニューヨークを訪れると、米国に30年以上住む知人からは「食費はかなり上がっており、さらに飲食代金が高い。特に日本食レストランはかなり高い」と言われました。
ここからは、現地で体験した物価をお伝えしていきます。現地に到着した私は、まずカフェで朝食を購入しました。
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