普通のカフェが2人で1万円! ニューヨークで分かった「安すぎるニッポン」の現在地:激しい日米“格差”(2/6 ページ)
物価が高いと有名なニューヨーク。著者が実際に行った経験を基に、日本との格差がどれくらいなのかを解説。まだまだ「安いニッポン」だが、手放しで喜べない理由もありそうで……。
クロワッサンとコーヒーで、5000円
現地の人が食べるような普通の朝食を食べたいと思い、クロワッサンとコーヒーを2つずつ、さらに卵とベーコンが入ったクロワッサンを1個購入しました。クロワッサンは2つで9ドル(1個4.5ドル)、コーヒーは11ドル(1杯5.5ドル)。卵・ベーコン入りクロワッサンは12.5ドルでした、合計32ドル50セントに税金が2.88ドル加わり、最終的な価格は35ドル38セント。日本円にして5130円(1ドル=145円計算、以下同)です。
なるほど、高いと聞いてはいましたが実際に支払う段になって驚きました。クロワッサンとコーヒーだけで5000円もかかるのか――と。しかし、現地のビジネスパーソンなどは普通に30〜50ドルを支払っています。いちいち高いなあなどと驚いている様子もありません。クールな顔つきでコーヒーとパンを入れた袋を持って、颯爽とオフィスに出勤していきます。「ああ、これがニューヨーク・マンハッタンの朝なのか」と妙に納得した瞬間でした。
その後は付近を視察し、ミッドタウンのホテルに戻ろうと歩いていると、うどんチェーンの「つるとんたん」を見つけました。メニューを見ると、また驚き。30ドル以上のメニューがずらりと並んでいたのです。「ランチセットメニュー&ハッピーアワー」と書かれており、メニューも二重価格ですべて割引されています。それでも30ドル台の価格です。
中でも目を引いたのは、ランチセットが38ドルもする「プレミアム10握り+おうどんセット」。40ドルから2ドル割り引かれていますが、日本円で5510円です。マンハッタンで生活している人の感覚では「すしとうどんのセットなら、マンハッタンではこれくらいするのが当たり前」というところでしょうか。
ニューヨークの物価において食事はかなり高く、その中でも日本食はさらに高いことを再認識しました。もちろん、つるとんたんを槍玉に挙げたいわけではありません。日本でも、つるとんたんでランチをしようと思ったら1人2000円ほどの予算、2人だと5000円程度を想定して食べにいくはずです。日本国内ではそこそこ高い部類でしょう。
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