ジャニーズ事務所、社名「SMILE-UP.」に変更 上場企業の「脱ジャニ」に歯止め?
ジャニーズ事務所は10月2日、社名変更と新会社設立を発表した。今回の発表は、企業の「ジャニーズ離れ」にどう影響するだろうか。
ジャニーズ事務所は10月2日、社名変更と新会社設立を発表した。9月末時点で、帝国データバンクの調査によると、自社のプロモーションにジャニーズタレントを起用した上場企業65社のうち、33社が放映中のCMなどを「中止する」または「契約を更新しない」と表明していた。今回の発表は、こうした動きにどう影響するだろうか。
ジャニーズ事務所は10月2日の会見で、社名を「SMILE−UP.」と変更し、タレントと個別に契約するエージェント会社を新たに設立すると発表した。SMILE−UP.は被害者への補償に特化。補償を完了したのち、廃業する予定だという。
今後、ジャニーズタレントを起用しないと回答した企業の海外事業比率は、平均34%(2023年3月期)だった。「10%以上」(13社)と「30%以上」(10社)が上位を占めた。
帝国データバンクによると、起用見直しの理由として「ジャニーズ事務所の対応が不十分」をあげた企業が多数を占めたという。同社は「経営の分離や社名変更などの具体的な再建策が掲示されれば、起用企業における続投表明や、既に見直しを行った企業が『再起用』へと方針転換するケースも出てくる可能性がある」と指摘。今回の社名変更や経営の分離、補償方針を受けて、各企業がどう判断するのか注目だ。
調査は、帝国データバンクが保有する企業情報や外部情報から、ジャニーズタレントをテレビCM・企業広告として23年以降に起用が判明した(予定含む)上場企業65社(グループ含む、9月13日時点)を対象に実施した。
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