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コンビニ御三家、なぜセブンは違うの? ファミマとローソンは「完全セルフレジ」を導入経済の「雑学」(2/2 ページ)

多くの店で目にするようになってきた「セルフレジ」。コンビニでもファミマとローソンは、バーコードの読み取りから支払いまでを買い物客が行うセルフレジを導入している。一方、セブンが導入しているのは「セミセルフレジ」だ。なぜなのか。

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従来の待ち時間を20秒ほど改善

 気になるのは、なぜセブンはセルフレジではなくセミセルフレジにしたのか、です。


出所:セブン-イレブン・ジャパンのプレスリリース

 同社がセミセルフレジを導入した狙いは、利用者がレジを待つ時間を短縮することでした。もともと同社ではレジ待ちの時間を課題と捉えており、以前は買い物客1人が会計を済ますまで平均1分以上もかかっていました。そこで、セミセルフレジの導入を決めたといいます。

 一方で、ファミリーマートやローソンが導入しているセルフレジにしなかった理由はどこにあるのでしょうか。セブン&アイ・ホールディングスの広報によると、商品のスキャンや袋詰めは手慣れた店員が行い、買い物客は支払いだけを行うことで、よりスピーディーかつストレスなく買い物ができる点に着目したそうです。競合のようなセルフレジはあくまで別物であり、当初から検討していなかったといいます。

 セミセルフレジの開発は、東芝テック、富士電機、オカムラと共同で行いました。他社のセルフレジはほとんどがキャッシュレスのみの支払いですが、セブンのセミセルフレジは、現金にも対応しています。特にこの現金で支払う際、硬貨などが詰まることなく精算できるよう、開発で工夫したそうです。


出所:同前

 20年7月から実施したセミセルフレジの導入テストでは、これまでの買い物客1人当たりが要していた約1分から、20秒ほどの短縮効果を確認。20年10月から各店舗への本格導入を進めました。導入後は、テストで確認したような時短効果とともに、店舗側ではお釣りの渡し間違いが減ったり、釣銭金額をカウントする点検業務などの負担が減ったり、さまざまな効果が生まれているそうです。


店舗での導入イメージ(提供:セブン&アイ・ホールディングス)

 競合とは異なる形で、レジのアップデートを行っているセブン。今後も「王者」らしい独自の取り組みに注目です。

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