「スナック」がニッポンの成長産業になる、これだけの理由:スピン経済の歩き方(6/7 ページ)
スナックが注目を浴びている。日本人というよりも、外国人観光客が「日本文化」を楽しむために、スナックツアーが盛り上がっているそうだ。人口が減少していく日本で、スナックは成長産業になる……?
「シングルマザー」のいい働き場所
こういう話をすると、「スナックだけそんなサポートをするのは不平等だ」とかなんとか怒り出す人もいるだろうが、スナック支援は日本経済のためでもある。ご存じのように、日本のGDPの7割はサービス業が占めている。にもかかわらず、サービス業に従事する人の賃金は他分野と比べて安い。
つまり、これからの日本は観光をはじめサービス業を元気にしていくことが求められる。だからといって「すべてのサービス業」にバラまきをするのは現実的に不可能だ。
だから、スナックを支援する。ここを目指して外国人観光客が来るようになれば当然、周囲の飲食店やホテルも潤う。ナイトタイムエコノミーの起点に投資を集中することで、地域全体に経済効果を波及させるのだ。それができれば、「スナック離れ」している日本人客を呼び戻すこともで期待できる。
さまざまな調査を見ると、スナックに対して「行きたいと思わない」「興味がない」と思う日本人が増えている。かつてのようにお酒を飲まなくなったことや、出会いなどのツールが増えたからだといわれている。
しかし、スナックが外国人観光客でにぎわうようになれば、逆に「外国人と触れ合いたい」という日本の若者が増えるかもしれない。また「スナックってドアの向こうにヤクザとかいそうでなんか怖い」とネガなイメージを抱く人が「外国人が楽しめるなら安心だ」とやって来るようになるかもしれない。
そこに加えて、筆者がなぜ「スナック支援」の必要性を訴えるのかというと、現在、約120万人いて今後も増えるといわれている「シングルマザー」のいい働き場所になるからだ。
もちろん、シングルマザーが1人で子どもを養っていくのに、フルタイムで安定した正社員の仕事などがいいことはいうまでもない。しかし、子どもが小さいうちは、保育園などに預けるにしても、なかなかフルタイムは難しい。急に熱を出せば、病院に連れて行かなければいけない。そうなると、正社員よりも比較的、「欠勤」がしやすいパートタイマーを選ばざるを得ない。
母子世帯のうち、母親が就業しているのは8割で、最も多いのは「正社員」で全体の44.2%。続いて「パート・アルバイト」が43.8%という調査もある。(参照リンク)
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