「スナック」がニッポンの成長産業になる、これだけの理由:スピン経済の歩き方(7/7 ページ)
スナックが注目を浴びている。日本人というよりも、外国人観光客が「日本文化」を楽しむために、スナックツアーが盛り上がっているそうだ。人口が減少していく日本で、スナックは成長産業になる……?
日本のスナックは文化
では、日中のスーパーや工場などの「パート・アルバイト」だけで、母子が生きていけるかというと、今の日本は厳しい。そこで同じく「夜のパート・アルバイト」を掛け持ちするシングルマザーが少なくない。つまり、スナックだ。
筆者もいろんな地域でスナックに行くが、そこには「昼間は働いて、夜はスナック」というシングルマザーが山ほどいる。昼は会社で働き、子どもが中学生とかある程度大きくなったら夜は週3くらいでスナックに入って副収入を得るのだ。スナックの観光資源化は、このようなシングルマザーたちの待遇をあげることにもつながる。「ひとり親支援」や「子どもの貧困化」という観点からも必要な支援ではないか、と個人的には思う。
日本のスナックは文化である。そして、観光産業の発展には欠かせない分野でもある。ぜひ政府には、英国のパブ文化のように発信・支援を期待したい。
窪田順生氏のプロフィール:
テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで300件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。窪田順生のYouTube『地下メンタリーチャンネル』
近著に愛国報道の問題点を検証した『「愛国」という名の亡国論 「日本人すごい」が日本をダメにする』(さくら舎)。このほか、本連載の人気記事をまとめた『バカ売れ法則大全』(共著/SBクリエイティブ)、『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。
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