開発者を魅了する!? ソニーとホンダのEV、狙いはどこにあるのか:本田雅一の時事想々(3/3 ページ)
Unreal Engine 5がサクサクとスムーズに動く高精細の超ワイドスクリーンなど、次世代ゲーム機のような技術が詰まった、ソニー・ホンダモビリティのEV「AFEELA」。その狙いはどこにあるのか。川西社長を取材した。
しかし初期のプレステを考えてみてほしい。ゲーム機というのは、全く新しいコンセプトのプラットフォームを立ち上げるとき、対応コンテンツは“ほぼゼロ”だ。近年こそ過去の資産を引き継いで立ち上げるようになっているが、プラットフォームを一新するのであれば、基本はゼロから立ち上げなければならない。
そこで重要になるのが「どんなことができるの?」「楽しませてくれるの?」という「エンジニアが遊べる余裕がどこまであるか」だ。全く新しい基盤に更新するとき、その部分で「明らかに他とは違う魅力」(川西氏)を盛り込むのがソニー・ホンダモビリティの戦略だ。
「クルマとしての基本」を守ることは大前提
こんなことを書いていると「ああ、AFEELAってゲーム機みたいなものか。そんな自動車を売って本当に大丈夫?」という人もいるはずだ。
だからこそソニーはホンダと組んで、ソニー・ホンダモビリティというベンチャーを作ったわけだ。そもそもソニー自身も世界中の自動車メーカーにイメージセンサーやLiDARなどのセンサー部品、それらのセンサーの信号処理を行うソリューションを販売するサプライヤーでもある。
安全・安心というクルマとしての基本は当然踏襲し、また車内エンターテインメント(オーディオ機能や映像機能)も整えた上で……というより、そんなことは大前提で、さらに「こんなこともできるぜ」「こんな可能性がある」と、EVの中で実現するソフトウェアプラットフォームとしてワクワクを感じさせるものにしている。
24年1月のCESでは、そうしたコンセプト、ビジョンの一部が披露されるという。
川西氏によると、45個のセンサーが走行時に集めるデータを保存しておき、充電時にバックグラウンドで事前処理。何らかの形でクラウドにアップロードし、クラウド内の地形・地点データなどを機械学習させるアイデアも実装予定だ。
毎日鍛えることで個性あふれるAFEELAに成長させるアイデアもあるようだが、サードパーティーに対して、クラウドの地形・空間データとオーバーレイできるコンテンツの提供も考えているとか。どのようなものになるのか。今から楽しみで仕方がない。
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