結局「SONYのクルマ」は買えるのか? ソニー・ホンダが“チラ見せ”したそれぞれの思惑:本田雅一の時事想々(1/5 ページ)
ソニーグループと本田技研工業が、次世代EV開発での連携のため合弁会社「ソニー・ホンダモビリティ」を発足した。協業にあたり、どのような製品を作り、業界にどのような影響を与えることを狙うのか──。これまでに明かされた情報から透けて見える、ソニーとホンダのそれぞれの思惑とは?
ソニーグループと本田技研工業が、次世代EV開発で提携を模索し始めたと発表したのが今年3月のこと。あれから半年あまり、両社の合弁会社「ソニー・ホンダモビリティ」が発足し、10月13日に設立会見を開いたのは既報の通りだ。
協業に向けての話し合いを始めた3月から、さらにさかのぼっての1月。
ラスベガスで開催されたCES 2022では、ソニーグループの吉田憲一郎会長(兼社長CEO)が「直接EV市場に参入する」と明言していた。“事業化を前提とした子会社”としてソニー・モビリティの設立を発表したことを覚えている読者も多いだろう。両社による話し合いの開始はその後のことだ。
ホンダは協業にあたり、同社のラインアップには並ばない、新しいジャンルで挑戦するためにジョイントしたと明確に話していた。一方、ソニー側は“ソニーによるEV製品の事業化”が、この両社の話し合いの先にあるものなのか、それとも(車両生産機能のないファブレスの)ソニー・モビリティには別のパートナーが存在しているのか、この時点では明確なことは話していなかった。
実は、吉田会長はCES 2022でも、ソニーグループとしてEVを事業化するとは話しているものの、流通やサービス網までをどのように網羅していくのかや、ブランドバッジをどうするかなど、具体的なアウトプットについて明確なことは話していなかった。果たして、“SONY”バッジのクルマは実現するのだろうか?
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