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25年も苦戦していたウイスキーが、なぜ人気なのか “暗黒時代”を変えた、ある商品サントリーのウイスキーが100周年(2/5 ページ)

サントリーが山崎蒸溜所をリニューアルして、新たなツアーを開始する。同蒸溜所の建設に着手してから100年を迎えたが、これまでの歩みは順風満帆ではなかった。

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失敗に終わった初の本格国産ウイスキー「白札」

 昨今は品薄を巡る報道もあり、人気が過熱しているように見えるジャパニーズウイスキーだが、ここまで順風満帆に歩んできたわけではない。山崎蒸溜所が完成した後に「本格国産ウイスキー」として初めて発売した「サントリーウイスキー 白札」は、当時の日本人に受け入れられなかった。1929年当時、スコッチウイスキーのようなスモーキーな香りはまだ一般的ではないことも影響して、ある意味「失敗」に終わった。


ヒットしなかった「白札」

 しかし、その後も根気強くウイスキー製造を継続。白札の発売から8年後、現在「サントリーウイスキー角瓶」として親しまれるウイスキーを発売した。当時は「サントリーウイスキー12年もの角瓶」という名前であり、驚くべきは原酒が白札とほとんど同じだった点だ。「マスター・オブ・ウイスキー」の資格を持ち、ウイスキーの啓発活動に取り組む同社の佐々木太一氏は「7年間で、それだけ鳥井信治郎のブレンドに対する知見が広がったり、熟成技術が高まったりしたことの表れではないか」と話す。

 角瓶のヒットや時代の後押しもあり、国内のウイスキー市場はその後、成長を続ける。しかし、83年にピークを迎えた後は四半世紀にわたってダウントレンドに直面し、不遇の時代も長かった。

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