明大前駅に“さまざまな自販機”を設置して、どんな商品が売れたのか:水曜日に「へえ」な話(2/4 ページ)
東京の明大前駅に、ちょっとユニークなスペースが登場した。さまざまなジャンルの自販機が登場して、いくつかのヒット商品が生まれているのだ。どんな自販機なのかというと……。
2カ所で自販機を設置
カクダイ・ベースを展開しているのは、新規事業のマーケティングなどを支援しているダイレクト・ホールディングス社(東京都新宿区)と餃子図書館(東京都中央区)との共同プロジェクトである。このダイレクト・ホールディングス社にとって自販機ビジネスは畑違いともいえるわけだが、いきなり駅ナカにたくさんの機械を設置したわけではない。本腰を入れる前に、とある2カ所で試験的な取り組みをしていた。
1カ所は、キャンプ場である。キャンプをするときにバーベキューを楽しむ人は多い。しかし、肉が足りなくなって、困ってしまうケースも。急きょ、クルマで買い出しに行く人もいれば、あきらめて我慢する人も。であれば、自販機で肉を販売すれば、キャンパーが買ってくれるかもしれないと思って、設置することに。
もう1カ所は、美容院の外である。美容院で使っているシャンプーを購入したものの、次に買うタイミングは意外と難しい。使い切ったので、同じモノを手に入れたい。しかし、髪を切る予定は1カ月後ほど。店に入ってシャンプーだけを購入するのは、ちょっとした勇気が必要と感じる人も。そんな悩みを解決するのに、自販機で販売すればどうかと考え、設置することに。
キャンプ場と美容院の外、この2カ所での売り上げはいずれも好調。この結果を受け、プロジェクトのリーダーを務める續(つづく)大輔さん(ダイレクト・ホールディングス社)は「『自販機=飲料』といったイメージをもっている人が多いと思うが、さまざまな商品が売れるのではないかという仮説を立て、駅ナカに出店することを決めた」という。
とはいえ、手ごたえをつかんだのは2カ所だけ。まだまだ経験が足りないし、スタッフも足りない。そういった状況の中で、續さんが目をつけたのは、自販機の減少である。冒頭で紹介したように、この20年で台数がどんどん減っている。ということは、このビジネスに携わってきた人たちの“知見”が十分に生かされていないのではないかと考え、そうした人たちに協力をお願いして回ったのだ。
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