明大前駅に“さまざまな自販機”を設置して、どんな商品が売れたのか:水曜日に「へえ」な話(3/4 ページ)
東京の明大前駅に、ちょっとユニークなスペースが登場した。さまざまなジャンルの自販機が登場して、いくつかのヒット商品が生まれているのだ。どんな自販機なのかというと……。
いきなりヒット商品も
「自販機の仕事を始める」と聞くと、どのようなことを想像するだろうか。場所と機械と商品があれば、誰でもできるでしょ。などと思われたかもしれないが、多くの人の協力が欠かせない。設置場所をどこにすればいいのか、商品の調達をどうすればいいのか、メンテナンスをどうすればいいのか。
このほかにもさまざまな業務があるので、素人に近い人間が手を出してもうまく回らないのは目に見えている。そうした状況の中で、續さんは経験者に声をかけて回って、アライアンスを組んでいく。結果、さまざまなジャンルの自販機を設置して、それをうまく回せているようだ。
明大前駅に自販機を設置して、1カ月半ほどがたった。反響を取材したところ、「オープンしてすぐに売れた商品がある」とのこと。人気ユーチューバーのヒカルさんと、格闘家の朝倉未来さんが出演する起業家育成リアリティーショー「Nontitle」で生まれたヘアケア&ボディケア商品「シャントリボディ」(400ml、4500円)だ。
「4500円もするのに、本当に売れているの?」などと疑っている人もいるはずである。筆者も自販機で、4500円の商品を購入したことがない。いわゆる1000円自販機すら利用したことがない。
自分がケチなのかどうかよく分からないが、購入者の動機を探ってみると、動画の存在が浮かんできた。商品を購入すると、QRコードが付いていて、それを読み込むと「限定動画」を見れるようになっている。自販機を通じて、ファンを囲い込む施策がうまくいっているようだ。
すぐに売れなかったものの、しばらくして人気が出た商品もある。「しょうゆ豆」(200〜250円)だ。「はあ? 駅ナカの自販機で豆が売れているって? ちょっと信じられん」といった反応を示した人も多いかもしれない。実際、1週目はそれほど売れなかったが、2週目に入って売り上げが2倍に。その後も、好調に推移しているという。
この豆をつくっているのは、香川県高松市に本社を構える黒川加工食品である。東京の百貨店で販売していて、連日行列ができる大人気店……というわけではない。知名度がものすごく高いというわけでもないのに、なぜ人気があるのか。その要因として、續さんは次のように見ている。
「近所のスーパーなどで手軽に買えない商品が、自販機で購入できる。価格もそれほど高くないこともあって、目の前にある自販機に立ち止まって『ちょっと買ってみるか』といった人が増えているのではないか」と。
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