当初は不人気だった「コンソメパンチ」 カルビーの開発者が明かす、飛躍の“隠し味”:今年45周年(2/2 ページ)
カルビーは11月13日、ロングセラー商品「ポテトチップス コンソメパンチ」が45周年を迎えることを記念した限定商品を発売する。現在では定番となったコンソメパンチだが、発売当初はなかなか売れなかったという。
隠し味の「梅」で爆売れ
78年11月、うすしお味、のりしおに続く第3のフレーバーとして発売されたコンソメパンチだが、しばらく苦戦を強いられることになる。最大の要因は、ビーフの風味が強すぎるあまり、続けて食べたくなる「連食性」がなかったことだった。
そこで、松尾氏が酸味を加えることを発案。日本人の味覚になじみ深い、梅肉をフリーズドライして作った「梅肉パウダー」を追加した。「酸味を足すことでビーフの旨味が舌に残りにくくなりました。味の切り替わりが良くなったことで連食性が向上しました」(阿紀さん)。このリニューアル後、売り上げは飛躍的に向上。今日まで続くコンソメパンチ人気のきっかけとなった。
今回発売するコンソメメガトンパンチのポイントは2つ。1つ目は味の濃さだ。コンソメパンチに比べて、コンソメ風味を3.5倍に強化している。「近年の味覚のトレンドとして、濃厚系の味が増加し、消費者も『濃い味』に慣れています」(同社マーケティング本部スナック1部ポテトチップスチーム 坂石萌さん)。濃い味に慣れた消費者にインパクトを与えつつ、おいしく食べられる範囲でどこまで濃くできるか挑戦したという。
2つ目はポテトチップスの厚さだ。通常のコンソメパンチは薄切りタイプを使用しているが、コンソメメガトンパンチは厚切りカットを採用。「通常の薄切りのままで味を濃くすると、しょっぱさやくどさが際立ってしまいます。じゃがいも本来の味が負けないよう、厚切りカットにしています」(坂石さん)
現在、ポテトチップスのフレーバーにおいて、コンソメパンチはうすしお味に次ぐ人気を獲得している。井上真理さん(同社マーケティング本部スナック1部ポテトチップスチームブランドマネジャー)は「コンソメパンチを100年続くブランドにしたい」と意気込んだ。
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