インタビュー
ユニ・チャームが見つけた「フリーアドレス最適解」 部署ごとシャッフルでどんな効果が?:ハイブリッドワークの挑戦と舞台裏(2/3 ページ)
コロナ禍を経てハイブリッドワークが浸透してきた。ユニ・チャームはコロナ禍で露呈した「コミュニケーション不足・格差」問題に対して、さまざまな面白い対策を取り入れた。同社が見つけた「ゆるやかなフリーアドレス」と自社専用の「内階段」の効果について聞いた。
専用の内階段、設置してどうなった?
移転前、同社のオフィスは7フロアで構成されていた。移転後は全部署を3フロアに収容し、内階段は3フロアをつなぐ役割として設置した。異なる階の社員と会話したいと考える際、移動は心理的なハードルになる。内階段を設けることにより、階層よりも場所を移動しているだけという感覚を強め、ハードルを下げる効果を期待している。
これまで、他の部署へ向かうにはビルに設置されたエレベーターで10分前後かけて移動しなければならず、面と向かってのコミュニケーションが億劫(おっくう)になっていた。その結果、社員は電話やメールを使い業務を進めるようになり、社内でコミュニケーションを取る相手が固定化されてしまうという課題があった。
「専用の内階段を設置することで、同期や他部署の社員、前の部署の先輩などいろいろな人と会話が生まれるようになったと、各部署から聞いています。会話の機会とともにポジティブな気持ちも生まれ、リモートにはない『出社ならではの喜び』を感じられるようになりました」(グローバル人事総務本部 人事部 働き方改革推進室長 魚澤たか子さん)
部内とも関わりを持ちながら、他部署ともコミュニケーションが取れる体制を突き詰めたという「内階段」と「ゆるやかなフリーアドレス」だが、具体的にどのような効果があったのだろうか。
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