「仕事が向いていない」と感じる部下 どう接するべき?:Q&A Z世代部下のマネジメント法
正直、「この仕事に向いていないな」と感じる部下がいます。指導するのに時間と労力がかかりますし、どう接するか迷ってしまいます。
Q&A Z世代部下のマネジメント法
マネジャーの仕事は、一筋縄ではいきません。「部下に指導しなくてはいけないが、ハラスメントにならないか怖い」「指示通りに動かない部下に、どう対応したら良いのか」など、Z世代をマネジメントする上司の尽きないお悩みに、リクルートマネジメントソリューションズが回答します。
Q: 正直「この仕事に向いていないな」と感じる部下がいます。指導にも時間と労力がかかります。どう接すればいいでしょうか。
「この仕事に向いていないな」と感じる部下 どう接すればいい?
A: 職務の定義やパフォーマンスを出すためのやり方は曖昧(あいまい)で幅広い余地があるため、「向いていない」という判断は慎重に。まずは部下が成果を上げられる方法を再検討する。また、上司自身も「仕事」に対して、特定の前提や定義を抱いていないか顧みる必要がある。
仕事が向いていないと感じられる部下を指導するのは、確かに時間とエネルギーを要するタスクです。
一方で、考えるべきは、部下のどのような点に「この仕事に向いていない」と感じるか、ということです。その背後には「この仕事」に対する特定の前提や定義といったものが存在し、上司がそれに囚われてしまっている可能性があるのです。
上司に必要なマインドは「この仕事はこういうもので、向いている部下はこういう特性を持つ」という考え方よりも「この部下はこのような特長があり、その特長を生かしてこの仕事に貢献させよう」と考えることです。要するに「仕事」に対して特定の縛りを設けず、柔軟性を持つことが重要なのです。また、後者のようなアプローチを取る管理職は、仕事に対して「これが正しいやり方だ」という主張を滅多にしないものです。
昨今、職務に必要なスキルに限定して採用するジョブ型の人事制度が増えつつあります。このように職務が明確に定義されている場合は、部下の適性について断定できることもあるでしょう。しかし、多くの日本企業では、職務の定義やパフォーマンスを出すためのやり方は曖昧で幅広い余地があるため、「向いていない」という判断は慎重にすべきです。
「向いていない」という決めつけはいったん横に置いて、成果を上げられる方法を再検討し、部下の特長を生かすやり方を見つけ出すことをお勧めします。
話を聞いた人:荒金 泰史(あらがね・やすし)
リクルートマネジメントソリューションズ HRM統括部HRMサービス開発部INSIDESエンタープライズグループ マネジャー/主任研究員
入社以来、アセスメントサービスの開発・営業に従事し、企業の人事課題に対し、データ/ソフトの両面からソリューションを提供/実証研究を重ねる。上司と部下の1on1、入社者の早期離職、メンタルヘルス予防、エンゲージメント向上、組織開発に詳しい。現場マネジャーに部下との関わり方をアドバイスするHRテクノロジーサービス『INSIDES』の開発責任者を務める。
書籍:『人事・経営陣に知ってほしいエンゲージメントの “真” 常識』(翔泳社)
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