なぜバーガーキングの店舗数は増えているのか 100店→200店の舞台裏:水曜日に「へえ」な話(4/5 ページ)
「バーガーキング」が快進撃を続けている。ここ数年店舗数を増やしていて、100店舗から200店舗に。ハンバーガーチェーンの撤退が相次ぐ中で、どのようにして増やしたのか。
気になる物件に出合う
経験が足りないというハンディを抱えていたものの、アドバンテージもあった。先ほどちらっと紹介した、コロナ禍というタイミングである。さまざまな業界が出店を控えるだけでなく、撤退するところも多かった。となると、家賃も下がっていったので、「初期投資が少なく、商業施設やショッピングセンターへの出店」が可能になったのだ。
こうして順調に増やしていく中で、ちょっと気になる物件に出合う。いまの「京都ヨドバシ店」だ。京都駅から徒歩5分ほどのところに位置していて、人通りはまずまず。しかし、同社が設定している家賃よりも高かったのだ。「一度は出店を諦めました。しかし、もう一度検討してみることにしまして。その後、何度も何度も議論して、店をオープンすることにしました」(野村さん)
家賃は高いかもしれないが、ターミナル駅からは近い。ネックになったのは近隣にある外食チェーンだ。京都駅から京都ヨドバシ店まで地下道があって、その間にたくさんの店がある。じゃあ、地上はどうか。店にたどり着くまでに、スターバックスとマクドナルドがある。
この話を聞いたとき、筆者は「コバンザメ商法」を思い出した。人気のある店の近くに出店すれば、集客力がない店でもある程度の売り上げが見込めることから、このように呼ばれている。失礼を承知の上で、野村さんにおこぼれを手にする方法を意識したのではないかと投げかけてみた。
「マクドナルドさんの近くに出店して、1年目はそこそこ結果を出しても、2年目、3年目も同じような結果を出すのは難しい。というわけで、コバンザメ商法なんてありえないですね」ときっぱり否定した。
ただ、京都ヨドバシ店では店舗の外にテーブルと椅子を置かせてもらうなど、好条件が重なったので思い切って出店することに。結果はどうだったのか。売り上げデータを見ると、全店の中で常にトップ5にランクインしているそうだ。
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