「バカじゃないの?」とも言われた――4℃は「ブランド名を隠す」戦略で何を得たのか:社長が「匿名宝飾店」を振り返る(2/3 ページ)
SNS上で一部ネガティブなイメージが語られ、度々話題を集めているジュエリーブランド「4℃(ヨンドシー)」。9月にブランド名を隠した期間限定のジュエリーショップ「匿名宝飾店」をオープンし、話題に。瀧口社長が「匿名宝飾店」を振り返って感じた手応えは……?
「匿名」の効果は? 10%が世論を作る時代
同社の狙い通り、匿名宝飾店に来店した客の8割以上が「4℃のイメージが良くなった」と回答。さらに「購入したいと思った」が9割を超えるなど、多くの支持を集めた。
そもそも「4℃のイメージが悪い」と回答したのは10%。「イメージがよい」は65%、残りは「どちらでもない」と回答したという。
「たった10%の、SNS上ですごく発言権のある方の投稿によって、ブランドのイメージが作り上げられていきます。
もしかしたら4℃は一部で『少しかわいらしすぎる』、あるいは『ちょっと幼い』と思われていたのかもしれません。しかし、私たちはそんな風に思ってはいませんし、多様化するお客さまに対応して大人っぽいデザインなどもたくさん作っています。その事実に手をこまねいていたときに、私たちはこれまでに4℃を愛していただいた多くのお客さまに失礼になると考えました」
同社は匿名宝飾店を経て、消費者に体験してもらうことが重要だと再確認したという。企業発信で「こうじゃないよ」と広告を打っても、意味がない。購入の有無以前に、商品を体験し、触れてもらう機会を増やすことで、ブランドの正しい理解を広げる姿勢だ。
「SNS上で語られたイメージはSNS上でしか変えられないので、お客さまの発言が重要になります。買うか買わないは別にして、消費者の皆さんに実際に体験してもらい、ブランドの価値を決めてもらいます」
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