「コストコの駅ナカ店」会員が1万人を突破 西武線で人気を集めた、2つの理由:水曜日に「へえ」な話(1/5 ページ)
コストコ“駅ナカ店”が好調のようだ。とはいえ、こうした店名はないが、どういう意味か。西武線の駅のロッカーで、コストコの商品を販売したところ、想定以上に好調のようで……。
コストコの“駅ナカ店”が盛り上がっている――。
「なにそれ? コストコ駅ナカ店なんて聞いたことないよ」などとファンから怒られてしまいそうだが、もちろんそんな店名はない。コストコの多くは、郊外にどーんと大きな建物を構えているわけだが、ネットで注文して駅のロッカーで受け取れるサービスをご存じだろうか。
西武ホールディングス(HD)が運営していて、サービス名は「BOPISTA(ボピスタ)」。西武線の池袋や高田馬場の駅などで展開し、会員は1万人を突破しているのだ。
コストコで買い物をしたこともなければ、近寄ったこともない人のために、どんな店なのか簡単に紹介しよう。米国発の会員制スーパーで、日本に上陸したのは1999年のこと。福岡県に出店して、現在は全国に32店舗を構えている。週末になると、コストコ周辺は渋滞が起きるほどファンが多いわけだが、正規店に足を運ばなくても商品を手にできる。このことを知っている人は、それほど多くはないのかもしれない。
どういうことかというと、話は単純である。コストコで商品を仕入れて、それを販売するだけ。このように書くと「テンバイヤーだろ、それは!」と怒られてしまいそうだが、全く問題なし。コストコは「卸売業」なので、ビジネス会員になれば、一般客と同じように店内で商品を仕入れて、それを販売できるのだ。
どういった形態があるのかというと、大きくわけて3パターンある。1つめは、コストコの商品を扱う再販店だ。専門店もあれば、スーパーの一角で扱うところもある。2つめは、ECサイトでの販売で、Amazonや楽天などで扱っている。3つめは、Uberなどの買い物代行だ。
このように書いても「そんなところで、“わざわざ”買わなくてもいいでしょ」などと感じられたかもしれないが、冒頭でも紹介したようにコストコの多くは郊外に店を構えている。都市部に住んでいたり、クルマを持っていなかったり、そんな人にとっては“わざわざ”足を運ぶ店でもあるのだ。
あと、コストコで買い物をするには年会費(4840円)を支払わなければいけないが、本家以外の場合、ほとんどが無料である。ピッキング作業や物流などのコストを考えると赤字になるので、商品価格に2〜3割ほど上乗せしているところが多い。ソロバンをはじくと、ヘビーユーザーは“現地”で買い物をしたほうがよいが、ライトユーザーは“他所”で手に入れたほうがお得ともいえる。
関連記事
- 「コストコ」専門のネットスーパーが人気 なぜオープン前に会員が1万人を超えたのか
コストコの商品を仕入れて、それを販売する店がじわじわ増えている。テンバイヤーみたいに感じるかもしれないが、悪いことをしているわけではない。コストコは卸売業でもあるので、そうしたことができるわけだが、その中でも気になる店が登場した。どういった特徴があるのかというと……。 - 「ゆで太郎」の“弟分”「もつ次郎」が、急成長しているワケ
立ち食いそばチェーン「江戸切りそば ゆで太郎」の弟的存在の「もつ次郎」が急成長している。店舗が増えているのは併設店が多いからだが、シナジー効果を発揮していて……。 - 渋谷駅にサラダ自販機を設置して、見えてきた「0.13%」の数字
京王井の頭線の渋谷駅に、サラダなどを販売する自販機が登場した。価格は1000円ほどするのに、なかなか好調のようで。ちょっと変わった自販機を設置したことで、どんなことが分かってきたのか。 - 水を温めただけの「白湯」が、なぜ想定の3倍も売れたのか アサヒの“着眼点”が面白い
アサヒ飲料の「白湯」が売れている。水を温めただけの商品がなぜ売れているの? と思われたかもしれないが、ヒットの背景に……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.