「コストコの駅ナカ店」会員が1万人を突破 西武線で人気を集めた、2つの理由:水曜日に「へえ」な話(2/5 ページ)
コストコ“駅ナカ店”が好調のようだ。とはいえ、こうした店名はないが、どういう意味か。西武線の駅のロッカーで、コストコの商品を販売したところ、想定以上に好調のようで……。
事業をうまく回せている背景
前置きが長くなってしまったが、話を元に戻そう。ボピスタの事業をうまく回せている背景に何があるのか。取材をしていく中で、2つの理由が分かってきた。
1つめは、ロッカーである。ボピスタは実証実験を繰り返していて、現在は第4弾の真っ只中である。第1弾は2021年にスタートし、このときは西武池袋本店で扱っている菓子類や化粧品などを販売。池袋、富士見台、所沢の3駅で始めたところ、まずまずの成果を得たので、22年に第2弾を実施することに。このときにコストコの商品のほかに、商業施設で販売している弁当や総菜などが加わった。
さらっと書いてしまったが、ここで大きな転機を迎える。第1弾のロッカーは常温のみしか扱えなかったが、第2弾では常温と冷蔵の2タイプを設置したのだ。お客から強い要望があったコストコの商品を販売したところ、想定以上に売れたので、第3弾(23年2〜6月)で8駅に増やし、さらに第4弾(23年7月〜)の現在は28駅で受け取り可能としている。
考えてみると、駅のロッカーといえば、荷物などを一時的に預かるハコといったイメージがある。駅だけでなく、さまざまな場所で設置されているわけだが、10年ほど前から宅配ロッカーや生鮮品を扱うタイプが増えていった。従来型のロッカーとボピスタで使われているモノは、どのような違いがあるのか。ひとことで言えば、一時預かりもできて、常温も冷蔵も受け取れるのである。
いわゆるスマートロッカーと呼ばれるモノだが、なぜ西武HDはこのタイプを導入したのか。答えは、それほど難しくない。例えば、一時預かり用、常温用、冷蔵用、それぞれのロッカーを設置するとなると、スペースが必要になる。また、常温用のみ、冷蔵用のみにしてしまうと、利用客が限定されてしまう。スマートロッカーは全方位に対応できるので、消費者のさまざまなニーズに対応できると判断して、このタイプを導入したのだ。
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