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苦戦していた「サントリー烏龍茶」に反転攻勢の兆し 「そういえば最近飲んでない」問題にどう向き合ったのか(4/4 ページ)
1981年発売のロングセラー商品「サントリー烏龍茶」は、近年ダウントレンドが続いてきた。しかし、戦略を見直すことで反転攻勢の兆しが見えてきた。
ブランド力の高さを再認識
三村氏は、サントリー烏龍茶が持つブランド力の高さを改めて認識することが何度かあったという。
現在、サントリー烏龍茶ブランドとして展開しているのは、通常のサントリー烏龍茶、健康に特化した「サントリー黒烏龍茶」、期間限定で展開している「サントリー烏龍茶 好烏龍(ハオウーロン)」の3つだ。
好烏龍は、マンゴーと烏龍茶を組み合わせた味わいが特徴。マンダリンオレンジ果汁の酸味と烏龍茶ポリフェノールで、後味すっきりな中味に仕上げている。9月5日に発売しているが、売れ行きは好調だという。お茶と果汁を組み合わせた飲み物に慣れていない消費者でも、サントリー烏龍茶のロゴがパッケージに入っているので、安心して手に取ってくれているのではないかと三村氏は分析している。サントリー烏龍茶は誕生して以来、パッケージは何度か変わってきたが、文字のデザインは変えていない。
また、サントリー烏龍茶の特徴として、お盆や年末の最終週といったように「みんなが集まる時期」に売り上げが顕著に増える傾向があるという。「みんなが知っているブランドだから」と、さまざまな属性の人が集まるシーンで選ばれている可能性もある。
かつて絶大な知名度を誇った商品でも、さまざまな要因でブランド力が衰えてしまい、販売規模を縮小せざるを得ないケースがある。サントリーの烏龍茶のケースは、ロングセラーブランドの“復権”を考えるうえで、何かしらのヒントになるのではないだろうか。
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