売り場にあふれる「ちいかわ」グッズ ライセンスビジネスの仕組みとは?(2/3 ページ)
クリスマスの時期、おもちゃ売り場などで見かけるキャラクターグッズ。裏側には「ライセンスビジネス」というビジネスモデルが存在する。一体、どのような構造をしているのか。Mintoの水野和寛・代表取締役が解説する。
拡大するキャラクタービジネス市場
日本には漫画・アニメなどのコンテンツを生み出すクリエイターが非常に多く存在し、多くの良い作品が生まれています。一方で、その作品やコンテンツの中から生まれたキャラクターやIPをどう広げていくかが、ビジネスの観点で言えば非常に重要になってきます。
2023年度のキャラクタービジネス市場は、前年度比101.4%の2兆6508億円と予測され、22年はメディアミックスコンテンツ「ウマ娘プリティーダービー」、マンガからアニメ化された「SPY×FAMILY」「チェンソーマン」、特撮シリーズ「ウルトラマン」、映画が公開された「ONE PIECE FILM RED」など、バラエティに富んだキャラクターが活躍しました。
商品化の内訳を見てみましょう。まさにクリスマスシーズンのデパートに代表されるようにキャラクターの商品化で最も大きいのは玩具です。バンダイナムコやタカラトミーの玩具は店舗でもよく見ると思います。
それ以外にも、文具・お菓子・食品・アパレル・雑貨・トイレタリー・ホームファッションなど幅広いジャンルで利用できるのがキャラクターの特徴であり、ライセンスビジネスの面白いところです。
インターネットビジネスにおいても同様にキャラクターは重要です。「ドラゴンボール」など有名なキャラクターIPをライセンスしたゲームは大ヒットしていますし、YouTuberやVTuberなどネットで人気になったタレントやキャラクターのグッズも多数ライセンスされています。
また、NFTやメタバースのような新しいテクノロジーを活用したコンテンツやサービスもキャラクターを活用することで認知を得て、新しい顧客へとコンテンツを届けることができます。
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