サンリオはなぜ「他のアイドル推し」グッズを展開するのか?:エンタメ×ビジネスを科学する(1/3 ページ)
サンリオは、キャラクターの魅力を最大限に引き出す「推し活グッズ」を次々と発売している。本来「推される側」のサンリオが、なぜ推し活グッズを展開するのか。
サンリオは「推し活」をするファンのために「エンジョイアイドルシリーズ」というグッズラインを展開している。これは推しのライブやイベントに必要なアイテムを、サンリオキャラクターのデザインで提供するものだ。商品ラインアップを見ると、うちわケースやペンライトホルダー、缶バッジをつけられるバッグなど、推し活をするファンのニーズを絶妙に押さえている。
シールや文字パーツなどで推しの写真に名前を入れられ、ファンは自分の推しに合わせてグッズをカスタマイズできる。
サンリオはキャラクタービジネスを行う企業であり、本来は同社が抱える多くのキャラクターを推してもらう立場である。世界各国を舞台にキャラクター人気投票を行うなど、実際に「推される」活動も行っている。
ではなぜサンリオが推し活グッズを展開するのか、そしてなぜ推し活グッズが支持されるのか。
推される側なのに……「他のアイドル推し」グッズを展開するワケ
推し活という言葉は2010年代後半から流行した言葉であり、特に、応援対象(=推し)がアイドルや声優、アニメキャラクターなどであるときに称される。また、組織や団体よりも、より個人のキャラクターに焦点を当て、応援する活動を指すことが多い。
この推し活は、グッズ購入やライブ参加、投げ銭などの「応援消費」につながりやすい特徴を持つ。
応援消費自体は古くからある文化、消費形態である。本連載でも触れたことがあるが、応援消費とは好きな人や物に対して、金銭的な支援や情報発信などの形で応援することであり、スポーツや芸能などの分野で古くから行われている。
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