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スマホで撮影できるのに、なぜ「プリクラ」文化は続いているのか:誕生してから28年(5/5 ページ)
1995年に「プリント倶楽部」が誕生してから28年。97年の大ブーム時に1000億円を超えていたプリントシール機の市場規模は、現在200億円規模まで落ち込んでいるが、今でも一定の支持を得ている。市場シェア94%のフリュー社に最新事情を取材した。
最新機種は「Y2K」トレンドを反映
フリュー社では新機種「piemo」(ピエモ)の発売が決定しており、24年2月上旬から順次全国のアミューズメント施設に設置していく。ターゲットの若年女性の声を受け、同機種には「Y2K」のトレンドが反映されているそうだ。
「Y2Kは2000年代に流行ったファッションやカルチャーを指し、厚底、へそ出し、ルーズソックス、ロングブーツなどが当てはまります。ピエモはそういった世界観が味わえる機種で、派手な背景を採用し、ファッションもかわいく残せるよう全身を写すことができます。その際、自然にスタイルアップする補正機能も使えます」
「Instagramなどが流行ったことで、2015年ごろからはSNSの世界観を邪魔しない白の背景が主流でしたが、ピエモではヒョウ柄やハート柄などゴテゴテの背景も選べるようにしました」
フリュー社のプリントシール機事業の現状を尋ねると、「コロナ禍で落ち込んだ売り上げが徐々に戻り始めている」とのこと。年間で約3400万回撮影されており、23年3月末時点でピクトリンクの有料会員は約149万人にのぼるそうだ。
盛りの技術追求にスマホとの共存戦略で、若年女性の心をつかんできたフリュー社。同社では、今後も年間3台の新機種を発売し、設置台数や専門店を増やしていく意向だ。
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