「計画の2倍以上」売れている! チェキの最上位機種は、どうやって開発したのか:3分インタビュー(1/3 ページ)
インスタントカメラ「instax」シリーズから、最上位機種「instax mini Evo」が登場した。昨年12月に発売したところ、人気に火がついて「計画の2倍以上のペースで売れている」そうだ。富士フイルムの担当者に、開発の話を聞いたところ……。
「チェキ」の愛称で知られているインスタントカメラ「instax」シリーズから、最上位機種が登場したことをご存じだろうか。その名は「instax mini Evo(インスタックス ミニ エヴォ)」。富士フイルムが2021年12月に販売したところ、チェキファンのみならず、これまでインスタントカメラに興味を示さなかった層にもウケて、「計画の2倍以上のペースで売れている」(担当者)そうだ。
チェキが登場したのは、1998年のこと。当時のプリクラブームに着目して、女子高校生に向けて販売したところ大ヒット。2002年に販売台数が100万台を超え、その後、落ち込むことはあったものの、順調に伸ばし続け、18年には1000万台を突破した。来年“四半世紀”を迎えるチェキの最新機種「ミニ エヴォ」はどのような機能を搭載して、どのように開発したのだろうか。同社で企画を担当している武山沙妃さんと、開発を担当している橋口昭浩さんに話を聞いた。
エモさを搭載
――「チェキ」といえば、若い女性が使っているといったイメージがありますが、ミニ エヴォはクラシックなデザインになっていますよね。「mini 90 ネオクラシック」(13年発売)や「mini 40」(21年発売)も昭和レトロを感じさせるデザインになっていますが、レンズ周りにどことなく「チェキ感」が漂っている。今回のカメラはパッと見て「本格派!」といった印象を受けますが、これはターゲット層をオジサンに広げたことを意味しているのでしょうか?
武山: ご指摘のように、チェキは若年層からの人気が高いですが、年齢や性別に関係なく、幅広い層に使っていただきたい。そんな想いがあって、ミニ エヴォの開発がスタートしました。さまざまな調査を実施したところ、クラシックデザインの人気が高いことが分かってきました。年配の男性だけでなく、若い女性からも支持されていまして、“エモさ”を表現する意味も含めて、いまのデザインに決めたんですよね。
エモさはデザインだけでなく、機能面にも搭載しました。例えば、レンズの周囲にあるレンズダイヤルを回すことで、「ソフトフォーカス」や「光漏れ」などを選ぶことができますし、左肩にあるフィルムダイヤルを回すことで、「モノクロ」や「レトロ」などを選択することができるようにしました。
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