「計画の2倍以上」売れている! チェキの最上位機種は、どうやって開発したのか:3分インタビュー(2/3 ページ)
インスタントカメラ「instax」シリーズから、最上位機種「instax mini Evo」が登場した。昨年12月に発売したところ、人気に火がついて「計画の2倍以上のペースで売れている」そうだ。富士フイルムの担当者に、開発の話を聞いたところ……。
デジタルとは逆の機能
――プリントするときにはプリントしたい写真を呼び出して、プリントレバーを引くだけ。フィルム巻き上げレバーを模したもので、プリントレバーを「ギコギコ」と引っ張れば、ニョキニョキニョキと写真が出てくる。この一連の動きを見ているだけで、年配の人は「懐かしさ」を感じることができ、若い人は「新鮮さ」を覚えるのかもしれません。
武山: スマホのカメラって、性能がものすごく上がっていますよね。アプリを使えば、たくさんの色を使うことができますし、さまざまな加工ができる。こうした状況の中で、開発チームの中で「チェキができることは何か」を議論しました。
いわゆる“映える写真”ではなく、手の込んでいないモノであったり、ナチュラルなシーンを切り取ったり、ピントがあっていなくてもいい感じに撮れていたり。そんな世界観を求めている人が多いのではないかと思いまして、デジタルとは真逆の機能をあえて搭載しました。
――ミニ エヴォの最大の特徴は、10種類のレンズエフェクトと10種類のフィルムエフェクトを搭載していることだと思うんですよね(エフェクト:画像を加工すること)。例えば、レンズは光漏れ、フィルムはモノクロにしたり、レンズはハーフフレーム、フィルムはビビッドにしたり。自在に組み合わせることで、「100通りの撮影」を可能にしました。
橋口: レンズとフィルムのエフェクトをご紹介いただきましたが、当初はそうした企画ではなかったんですよね。スマホで撮影した写真を加工するような形で、漠然とエフェクト機能を搭載できればと考えていました。ただ、議論を重ねていくうちに、「レンズとフィルムの2軸で考えることはできないか」という話になりました。この2つを組み合わせることで、おもしろいモノができるのではないかと。
方向性が決まったので、次に「この色の組み合わせはどうか」「この色はよく似ているから、やめようか」といった作業に入りました。技術的なことを考えると、多くの組み合わせができるんですよね。ただ、それをやってしまうと、高性能なカメラになってしまう。チェキユーザーはそうした技術力の高さではなく、情景を感じたまま表現できる色を求めているのではないかと考えて、エモい組み合わせを選んでいきました。
カメラの背面に3.0インチのモニター搭載していますが、そこで見た画像とプリントした写真とでは微妙に色が違ってくるんですよね。画面で見たときには「これいいなあ」と思っていても、プリントしたときには「あれ、ちょっと違うかも」といったことがありました。そうしたことができるだけないように、プリントしたときにどういった色がでるのか、といったことにも着目して、組み合わせを選んでいきました。
なぜ、エフェクトは100通りにしたのか? 語呂がいいからですね(笑)。
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