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大ヒットしたスポドリ「DAKARA」はなぜ麦茶に? 社内の反対を押し切った起死回生の一手とは(2/4 ページ)

サントリー食品インターナショナルが発売したのが「ライフパートナーDAKARA」。人気商品に成長したダカラだったが、その後低迷。起死回生の一手として、スポーツドリンクらしからぬ転身を図った。

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盲点を突いたダカラの”弱点”

 その後、増減はありつつもコンスタントに売れ続けていたダカラ。しかし07年以降、販売数が減少していく。井島氏によれば、これには大きく2つの理由があるという。

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ダカラ 販売数量推移(同社提供、データ出典元:飲料総研、単位:千ケース)

 1つ目は、競合商品が多く発売されたことだ。「弊社内からはビタミンウォーターや燃焼系アミノ式が、他社からもダカラのような機能性飲料や特保(特定保健用食品)が次々投入されました」(井島氏)

 2つ目は猛暑による熱中症が社会問題となったことが挙げられる。熱中症対策の水分補給として、汗で失われたナトリウムを補給できるスポーツドリンクの人気は高まった。しかし、ダカラは「余分なナトリウムを排出する」という機能があるため、熱中症対策としての役割を果たせなかった。従来のスポーツドリンクの盲点を突くことでヒット商品となったダカラだったが、一度ブランドを見直すことになった。

「親子」をターゲットにしたスポーツドリンクへ

 ブランド見直しに際し、開発チームは家庭訪問調査、デプスインタビュー(1対1のインタビューで行う調査方法)、街頭調査を実施。消費者がどのようなスポーツドリンクを求めているかを再度、徹底的に調査した。その結果「なるべく自然由来の素材で作られていて、体に良いもの」「分かりやすい原材料を使用しているもの」「子どもに飲ませてもOKという安心感があるもの」というスポーツドリンクを求めていることが分かった。

 これらの結果を受けて、開発チームは大きな決断をする。これまでの全世代を対象にしたスポーツドリンクから、メインターゲットを「親子」に絞ったスポーツドリンクへと変更したのだ。「ダカラで培った日常生活で飲めるスポーツドリンクというコンセプトは変えず、親が安心して子どもに与えられるくらい、体にやさしい素材でナトリウムを補給できるスポーツドリンクへと方向転換しました」(井島氏)

 原材料は自然由来にこだわり、グレープフルーツ、レモン、ゆず、はちみつ、さとうきび、トマト、果糖、食塩、キダチアロエ、海藻、黒ごまといった11種類の素材を採用。また、ダカラと同じくミネラルやアミノ酸、クエン酸など不足しがちな栄養素も加えた。こうして12年4月に発売したのが「GREEN DA・KA・RA」(以下、グリーンダカラ)だ。

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GREEN DA・KA・RA 12年発売当時(同社提供)

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