大ヒットしたスポドリ「DAKARA」はなぜ麦茶に? 社内の反対を押し切った起死回生の一手とは(4/4 ページ)
サントリー食品インターナショナルが発売したのが「ライフパートナーDAKARA」。人気商品に成長したダカラだったが、その後低迷。起死回生の一手として、スポーツドリンクらしからぬ転身を図った。
「子ども向け」イメージからの脱却へ
同社がスポーツドリンク市場を切り開くきっかけとなったダカラ。すでに同商品の販売は終了しているが、現在もダカラブランドとしての商品展開は継続中だ。
グリーンダカラは現在、グリーンダカラとやさしい麦茶の2商品を軸に商品展開を行っている。こうした中、23年2月に新しい定番商品として加わったのが「GREEN DA・KA・RA やさしいルイボス」(以下、やさしいルイボス)だ。やさしいルイボスは、グリーンダカラが抱えるある課題を解決する役割を期待されている。
「グリーンダカラは親子をメインターゲットに設定したことで、子ども向けのイメージを持たれがちです」(井島氏)。子ども向けに商品展開を行っているわけではないが、「子ども向けだから味が薄そう」「子どもが飲むものでしょ?」という声があるという。こうしたイメージを払拭するため、美容と健康に良いと大人の女性に人気が高いルイボスティーを採用した。
発売後の購買層は、同社の狙い通り30〜40代の男女がメインを占めている。「ルイボスティー自体は女性人気が高いのですが、男性からの支持も予想以上にいただいております」(井島氏)。売り上げも目標値を超えて推移しており、やさしい麦茶のようなブランドを牽引する商品になる可能性も高い。
やさしいルイボスを契機に、子ども向けイメージから脱却を図るグリーンダカラ。しかし、商品展開にはあくまで慎重な姿勢だ。「子ども向けイメージから脱却を図るために、さまざまなカテゴリーに手を出して商品をどんどん増やす、ということは考えていません。あくまで『心と体にやさしい』というグリーンダカラのブランド思想に合った商品を選び抜いて、展開していく予定です」(井島氏)
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