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プロは「上手なウソ」をつく 関根勤や小堺一機を世に出した、大御所マネジャーの仕事術:異才を見いだす「育てるマネジメント」(4/4 ページ)
「上手な嘘をつけるのが良いマネジャーだ」――ENPASSの川岸咨鴻(かわぎし・ことひろ)名誉会長は、芸能マネジャーとして浅井企画で関根勤、小堺一機、柳沢慎吾、竹中直人、飯尾和樹といった人気タレントを続々と見出し、世に送り出してきた。本記事では川岸氏が身をもって体感した「良いマネジャーとは何か」「仕事はどう進めるべきか」について聞き、そのマネジメント論の本質に迫る。
いろんな場所にアンテナを張ると、見える景色が変わってくる
佐藤氏: ありがとうございます。最後に、働き方や仕事に悩んでいるビジネスマンに向けてアドバイスをいただけますか。
川岸氏: 1ミリでもいいから、毎日前に進むことですかね。そのために、アンテナをたくさん立てておくといいかもしれない。
僕の知り合いに、起きている間ずっとアンテナを貼っている人がいて。例えば、歩きながら道に点在しているマンホールを見て「これはどこに続いているだろう」と考えているらしい。そういうことを数カ月、1年続けているだけでも、少しずつ見える景色が変化してくると思いますよ。
佐藤氏: いろんなところにアンテナを張り巡らせるのは大事ですよね。川岸さんも常にいろんな人を見ているから、人を見極めるスキルが身についた、と。
川岸氏: 僕はどうか分からないけど(笑)。欽ちゃんはね、取材で初めての人と話すとき、まずは1時間雑談をしてから本題に入るんですよ。いろんな角度から観察しているから、相手の心を掴むのがうまいのかもしれないよね。
佐藤氏: 日々仕事に追われていると忘れてしまいがちですが、大事なときほど相手を観察する余裕を持ちたいですね。
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