まとめ
今回の調査から明らかになったのは、幸せに活躍している若手社会人の学び方に特徴があるということだ。具体的には、人を巻き込んで学ぶ「ソーシャル・ラーニング」、困難な事からこそ学ぶ「ラーニング・レジリエンス」、いくつかの学びや経験を架橋する「ラーニング・ブリッジング」、一貫してコツコツ学び続ける「ラーニング・グリット」、デジタルツールを積極的に使う「ラーニング・デジタル」の5つの学び方を実践している。
中でも、積極的に人を巻き込みながら学ぶ「ソーシャル・ラーニング」が肝要だ。近年では、1人で手軽に学べるeラーニングなども充実しており、学びの個人化が進んでいる。しかし、今回の結果からは、孤独に学ぶのではなく、誰かと共に学ぶことや周囲の人に意見を聞くといった他者とつながることの大切さが浮かび上がった。若手社会人が幸せに活躍するためのポイントは、他者との関わりにあるといえる。
本調査での「幸せな活躍」の定義と測定:
「はたらくことを通じて、幸せを感じている」などの7項目を「個人の主観的な幸せ(はたらく幸せ実感)」として測定し、「顧客や関係者に任された役割を果たしている」「担当した業務の責任を果たしている」などの5項目を個人のジョブ・パフォーマンスとして測定した上で、全体分布の中でともに高い層を「幸せな活躍層」として定義。
砂川和泉
大手市場調査会社にて10年以上にわたり調査・分析業務に従事。定量・定性調査や顧客企業のID付きPOSデータ分析を担当した他、自社内の社員意識調査と社員データの統合分析や働き方改革プロジェクトにも参画。2018年より現職。現在の主な調査・研究領域は、女性の就労、キャリアなど。
プロフィールページはコチラから。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
時短勤務や週休3日が「働く母」を苦しめるワケ 働き方改革の隠れた代償
男性育休の促進、時短勤務やテレワーク、フレックスタイム制といった従来の制度をより使いやすくする動きが進んでいる。子育てをしながら働き続けるためのオプションが増えるのは良いことだ。しかし一方で、「これだけの制度があるんだもの、仕事も子育ても頑張れるでしょ?」という圧力に、ますますしんどくなる女性が増えてしまう可能性も。
女性活躍を阻む「管理職の罰ゲーム化」
「テレワークを廃止」したら退職者が急増 原則出社はもう無理なの?
「ホワイトすぎて」退職って本当? 変化する若者の仕事観
「ホワイト離職」現象が、メディアで取り沙汰されている。いやいや、「ホワイトすぎて」退職って本当? 変化する若者の仕事観を考える。
「管理職になりたくない」 優秀な社員が昇進を拒むワケ
昨今は「出世しなくてもよい」と考えるビジネスパーソンが増えている。若年層に管理職を打診しても断られるケースが見受けられ、企業によっては後任者を据えるのに苦労することも。なぜ、優秀な社員は昇進を拒むのか……。
「管理職辞退」は悪いこと? 断る際に重要な2つのポイント
昨今「管理職になりたくない」「管理職にならない方がお得だ」――という意見が多く挙がっている。管理職にならず、現状のポジションを維持したいと考えているビジネスパーソンが増えているが、管理職登用を「辞退」するのは悪いことなのだろうか……?