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サントリー「VARON」 が30億円を突破 中高年男性になぜ選ばれるのかどんどん配った(2/6 ページ)

サントリーウエルネスのメンズスキンケア「VARON(ヴァロン)」が好調だ。2022年3月に発売し、初年度の売上は10億円、翌23年は30億円を突破した。なぜスキンケア未経験のミドル・シニア男性に選ばれるのか。

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100人のデプス調査で「悩み」を徹底調査

 ミドル・シニア層をターゲットに、「セサミン」などの健康食品や化粧品事業を長年展開してきたサントリーウエルネス。以前からミドル・シニア男性向けのスキンケア製品を作ろうという企画はあったが、実現していなかった。しかし、コロナ禍を機に風向きが変わったと西山氏。

 「一気にデジタル化が進み、Web会議やLINE電話などで自分の顔を見る機会が増えたこともあり、ミドル・シニア層男性の美容意識の変化がうかがえました。スキンケア製品の開発にあたり、まずは100人以上のデプス調査(1対1または長い時間を使って調査すること)を実施しました」


「体の健康だけでなく、ミドル・シニア層の外見の変化、孤独感、退屈といった内面の悩みにも向き合いながら事業展開している」と西山氏(筆者撮影)

 同調査で多く聞かれたのは、「しょぼくれたくない」「(周囲から)シニア扱いされて落ち込んだ」といった声。単なる健康の悩みというより、外見の変化からくる疎外感や自信の喪失に悩む人が目立った。人生の最後まで、できるだけ若さを保ちたい、社会とのつながりや家族との良好な関係を失いたくない。そんな願いが見えたという。

 「ミドル・シニア層の男性には、スキンケア未経験者が多くいます。手入れしていてもドラッグストアで買った化粧水を夜だけ、あるいは乾燥する冬だけ塗るぐらい。毎日朝晩に使ってもらうなら、シンプルでなければ続かないだろうと。一方で市場に目を向けてみると、ミドル・シニア層の男性の悩みに寄り添ったオールインワン化粧品は、ほぼありませんでした」

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