心理的安全性に支配される上司層が今すぐ見直すべきコト
心理的安全性の意味を誤って理解していると、部下を傷つけず機嫌を損ねないように、かける言葉、業務量、他のメンバーなどに気を遣い過ぎてしまうことも。忙しいと言われれば安易に手助けをしてしまったり、分からないと言われれば代わりに答えを出してしまったりして、結果的に部下の成長の機会を奪ってしまうことも考えられます。上司は部下を成長させることが役割であるにもかかわらず、それを全うできなくなってしまいます。
本来心理的安全性を保つために上司は、事業の目的・目標を明確に伝え、その達成に向けて建設的に考えを交換したり、反対意見を述べたりできる環境を準備する役割を持っています。そのために自己開示をしたり、部下の意見を傾聴したり、ヒエラルキーの垣根を少しでも排除するような対応が必要となるのです。
また、上司は部下を管理するのではなく、部下の行っている業務の経過を管理することが重要です。部下自身を管理しようとすると、どうしても部下自身に対するダメ出しや批判をしてしまいます。
一方で業務の経過を管理することで、部下自身ではなく、業務のやり方に対する問題点や改善点の話をすることができます。そうすることで部下自身も目標達成に向けたやり方に対する意見や考えを率直に伝えることができるようになるでしょう。
著者紹介:武田 正行(たけだ・まさゆき)
1978年東京生まれ。A型。2008年10月入所。
2001年3月に大学を卒業し、民間の会社に就職をするが、その年に退職する。その後2002年4月から自動車整備の専門学校に入学し、2級ガソリン自動車整備士、2級ジーゼル自動車ガソリン整備士資格を取得、2004年3月に卒業。
2004年4月から2008年9月までハーレーダビットソンのディーラーで整備士として勤務していた。
2013年9月より、海外進出プロジェクトのメンバーとして、アジアを中心とした海外進出に必要な労務管理、社会保険についてのアドバイスを行っている。
現在は約20,000名の企業様の社会保険手続きや数万の企業の相談顧問を行っている。また、ハラスメント・コンプライアンス外部相談窓口のリーダーとして相談員の業務も行っている。
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