なぜ、ファミマで「普通の服」を売ろうとしているのか 「ユニクロ並み」価格を実現できた背景(1/3 ページ)
ファミリーマートがアパレル商品を展開している。これまでは靴下やTシャツなどがメインだったが、2023年12月からは本格的な商品も発売。「ユニクロ並み」の価格でラインアップをそろえており、新たな定番商品としての期待がうかがえる。
2023年から、ファミリーマートがアパレル事業を強化している。21年より「コンビニエンスウェア」というブランド名で靴下やTシャツなどの軽衣料を販売していたが、23年12月からスウェットやパーカーといったものも取り扱い始めた。1万円近くするジャケットなどの店舗限定商品も投入している。
コンビニで軽衣料はよく見かけるものの「普通の服」を売るのは異例の試みだ。「コンビニ×アパレル」はこれまでにないコラボレーションといえるが、ファミマは近年なぜアパレルを強化しているのだろうか。その概要と背景について探る。
2サイズ、1カラーのみのシンプルな3商品が話題に
ファミマは以前から販売しているブランド・コンビニエンスウェアの新商品として、23年12月5日に「スウェット トレーナーくろ」「スウェット パンツくろ」「スウェット パーカーくろ」の3商品を発売した。これまでは他社でも見られるようなパンツや靴下といった軽衣料が中心だったため、今回の新商品投入は話題となった。
3商品のうち前者2つは2990円、パーカーは3990円だ。各商品とも毛羽だちの少ない重めなUSAコットン素材を使用しており、いずれも黒一色のみの展開。ロゴはなく、至ってシンプルな作りとなっている。ファミマは着心地の良さをアピールしており、部屋着としても使えそうな印象だ。サイズはMとLの2種類でユニセックスの服でもある。
ファミマへ足を運ぶと、店内にコンビニエンスウェア商品を扱う横幅1メートルほどのコーナーが設置されていた。商品は全て透明のパッケージに包んで陳列している。普通のアパレル店のように服がそのまま並べられているわけではないが、2〜3着ほどサンプル品が置いてあるため、形状は認識できる。
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