なぜ、ファミマで「普通の服」を売ろうとしているのか 「ユニクロ並み」価格を実現できた背景(2/3 ページ)
ファミリーマートがアパレル商品を展開している。これまでは靴下やTシャツなどがメインだったが、2023年12月からは本格的な商品も発売。「ユニクロ並み」の価格でラインアップをそろえており、新たな定番商品としての期待がうかがえる。
麻布台ヒルズで店舗限定商品を発売
ちなみにスウェット3商品を発売した同日「ファミマ!!麻布台ヒルズ店」(東京都港区)の限定商品も発売した。限定商品の中には値ごろ感のある2990円のカーディガンもあるが、「デニムジャケット インディゴ」(9990円)や「デニムパンツ インディゴ」(7990円)、「フライトジャケット くろ」(9990円)といった高価な商品が目立つ。
デニムは綿100%でできた13オンスの標準的なタイプで、フライトジャケットはミリタリー系で人気の「MA-1」デザインとなっている。発売から1時間で陳列分が売り切れるなど、出だしは好調だったようだ。なお発売に先んじて、ファミマは11月30日に国立代々木競技場の体育館で「コンビニ初」のファッションショーを実施している。
冒頭の通り、コンビニエンスウェアは21年3月から展開しているブランドだ。だが、従来はTシャツや靴下、タオルなどの商品がメインで、今回のような普通の服を本格的に投入したのは初めてとなる。同ブランドはファッションデザイナーの落合宏理氏がデザインを手がける。「緊急需要」だけでなく「目的買い」の消費者を取り込む狙いがあったといい、新たな商品の投入は目的買い強化の一環と考えられるだろう。
全国で発売した3商品は機能だけでなく安さも特徴的だ。スウェット トレーナーくろと同等の商品をユニクロで探すと同じく2990円であり、パーカーもユニクロと同じ価格帯である。以前から販売している軽衣料もユニクロと同価格帯だ。例えば靴下はファミマが429円に対し、ユニクロは390円と非常に近い。ちなみにセブン‐イレブンは484円とやや高い。
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