ファミマ、麻布台ヒルズ店で「服」が爆売れ コンビニならではの強みとは:5万円分買う人も(1/2 ページ)
ファミマでデニムジャケットやスウェットパーカーが飛ぶように売れている――。麻布台ヒルズ店で行った挑戦と、得られた示唆とは。
ファミリーマートが2021年3月から全国展開している「コンビニエンスウェア」というアパレルブランドがある。同社のブランドカラーである緑と青のラインがあしらわれた靴下を見たことがある読者も多いのではないか。
11月24日にオープンした「ファミマ!!麻布台ヒルズ店」では壁面を大きくつかって衣料品を陳列している。靴下やタオルだけでなくデニムジャケットまで並ぶ店内は、アパレルショップの雰囲気すら感じさせる。
ファミリーマートがアパレルにここまで力を入れる理由とは何か。同社で衣料品部門を担当する須貝健彦氏に聞いた。
ファミマがアパレルを扱う最大の強みは?
コンビニエンスウェアとは、ファミリーマートで扱う衣料品を見直し、客のニーズを「緊急需要」から「目的買い」にシフトさせるべくスタートしたブランドだ。19年に関西エリアで実験を経て、21年3月に全国展開している。
コンセプトは「いい素材、いい技術、いいデザイン」。ファッションデザイナーの落合宏理氏と共同開発し、素材やシルエット、パッケージデザインに至るまでこだわったという。
同ブランドの開始当初は、靴下などの基本的なアイテムがラインアップの中心だった。現在では撥水パーカーやカーディガン、ショートパンツ、サンダルなど今までのコンビニには並んでいなかったカテゴリーを取りそろえている。21年10月にプロジェクトに参画した須貝氏はこう振り返る。
「自分が実際にコンビニエンスウェアのTシャツを着たとき『すごく良いな』と思ったのですが、同時に『これがTシャツだけでなく、全身のアイテムがそろうともっと良いのに』と、いち消費者として感じていました。
また、コンビニは夏に売り上げが上がる業態なので、タオルやTシャツ、ショートパンツなどの夏シーズンに合わせた商品ラインアップの拡充に力を入れてきました」
全国に約1万6400店舗ある店舗網を生かし、身近にあるコンビニで全身のコーディネートがそろえば、顧客に大きなメリットを提供できると考えたそうだ。ベーシックな商品を扱うユニクロも、全国の店舗数は約800店舗である。「普段使いしたい」と思わせる商品力があれば、販売網で大きく優位に立てるというわけだ。
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