ファミマ「フラッペ」誕生の裏に“仮想敵” 大ヒットを生んだ観察眼:経済の「雑学」(1/2 ページ)
ファミリーマートの人気商品「フラッペ」。コーヒーマシンのミルクで作るフローズンドリンクで、累計販売数は約2億6000万杯を突破(2023年7月時点)しました。誕生のきっかけを取材しました。
ファミリーマートの人気商品「フラッペ」。コーヒーマシンのミルクで作るフローズンドリンクで、累計販売数は約2億6000万杯を突破(2023年7月時点)しました。定番の「カフェフラッペ」「ストロベリーフラッペ」に加え、季節ごとにさまざまな限定商品を展開。今年発売したフレーバーは10種類に上ります。
同社の岩井翔太郎さん(FF・スイーツ部 カフェ・スチーマーグループ)によると、フラッペ誕生のきっかけは開発チームの観察眼だったそうです。「夏場にカフェチェーンの店頭を観察していたところ、約3〜4割のお客さまが氷を使ったフラッペ商品を購入していることに気付きました」(岩井さん)
暑い季節の飲み物としてフラッペ商品はうってつけですが、1つが500円以上と少し高いなと感じたそう。そこで、「カフェチェーンのようなフラッペ商品をコンビニで、しかも手軽な価格で提供できればヒットするのでは」と思い付き、商品化に向けて動き出しました。
商品化に当たり最大の課題となったのは、機械の選定でした。カフェチェーンで使用しているミキサーを参考にしつつ、手間いらずで、店舗スタッフでも簡単に操作できる機械を探しましたが、なかなか良い機械が見つからなかったそうです。
機械探しが難航する中、参加したある展示会で袋に入ったかき氷を見かけ、ひらめきました。「店舗でミキサーを使って氷にするのではなく、あらかじめ氷を入れたカップを用意して、そこに店舗で熱いコーヒー液をかければシャーベット状のドリンクを提供できるのでは?」
物は試しと、実際にサンプルを取り寄せカップに氷を入れてみました。熱いコーヒー液を注いだところ、まさにイメージしていたようなシャーベット状ドリンクになったそうです。
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