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ファミマ「フラッペ」誕生の裏に“仮想敵” 大ヒットを生んだ観察眼:経済の「雑学」(2/2 ページ)
ファミリーマートの人気商品「フラッペ」。コーヒーマシンのミルクで作るフローズンドリンクで、累計販売数は約2億6000万杯を突破(2023年7月時点)しました。誕生のきっかけを取材しました。
一番売れたフラッペは?
こうして完成したフラッペ第1弾が、14年6月17日に発売した「カフェフラッペ」(当時は250円)です。岩井さんによると「FAMIMA CAFE専用コーヒーマシンで抽出したコーヒーを注ぐことで、フローズンの食感とコーヒーの味わいを楽しむことができる商品でした」とのこと。このカフェフラッペは、定番商品として現在も販売されています。
これ以降、約80種類のフラッペを販売。中でも最も売れた商品は22年4月発売の「黒いブラックサンダー チョコレートフラッペ」(当時は320円)でした。「ブラックサンダーの“ザクザク食感”をドリンクで再現するため、クッキーをチョコレートコーチングしました」(岩井さん)。発売初日から2週間で190万杯を売り上げたそうです。
8月15日からは、プレミアムチョコレートブランドであるゴディバ ジャパン(東京都港区)とコラボした「ゴディバ監修チョコレートフラッペ」(450円)を発売しています。ゴディバ監修のフラッペは21年から続く人気商品で、累計約370万杯を突破しました。
岩井さんは「フラッペをコンビニエンス業界のナンバー1の商品にしたい」と意気込みます。「『黒いブラックサンダー チョコレートフラッペ』の開発では、メーカーと協力して新技術を導入しました。このように現状維持することなく、消費者がワクワクするようなコンセプトやおいしさをとことん追求していきたいと思います」(岩井さん)
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