ファミマ、麻布台ヒルズ店で「服」が爆売れ コンビニならではの強みとは:5万円分買う人も(2/2 ページ)
ファミマでデニムジャケットやスウェットパーカーが飛ぶように売れている――。麻布台ヒルズ店で行った挑戦と、得られた示唆とは。
麻布台ヒルズ店で「爆売れ」
「ファミマ!!麻布台ヒルズ店」の反響もすさまじい。限定デザイン商品の発売日だった12月5日では、衣料品部門の売り上げは前日比で約20倍に増加。この日だけでプリントTシャツが83枚、パーカーが24着、デニムジャケットとパンツの合計で16着が売れたという。
「1人で5〜6万円分の服を買うお客さまも複数いました。最も売れたのは昔のファミリーマートのロゴをあしらった『太陽と星のTシャツ』です。発売から1時間以内に最初に準備していた分が売り切れ、その後も再陳列を待つ方が並んでいました」(須貝氏)
コンビニの店舗内に、服屋のように商品をハンガーで陳列して成功をおさめた麻布台ヒルズ店。このトライアルの成功からどのような展望を描いているのか。
「まだオープンから2週間しかたっていませんが、この期間の数字を見て判断するのであれば、全国に展開する可能性も十分にあると考えています。
各主要都市に旗艦店という形で同様の取り組みを行ったり、地方限定の特色を出していったりする可能性もあります。実際にお客さまから『もっといろんなところで買えたらいいのに』という声もいただいています」
一方で、アパレル業界全体の市場規模は1990年に15兆円を超えていたが、現在は10兆円以下にまで縮小している。こうした局面でアパレル事業を拡大することについてはどう考えているのか。
「アパレル全体の市場規模に比べると当社の売り上げはまだ全然大きくないことに加え、流行に左右されない定番のアイテムを中心にそろえているため、売り上げはもっと大きくできると思っています。具体的には、今後も毎年1.3〜1.5倍のペースで売り上げを伸ばしていけると考えています」
コンビニでコーヒーを買う光景が当たり前になったように、コンビニで普段着を買うこともまた当たり前にしていきたいと意気込む須貝氏。街のコンビニが担う役割は、今後もさらに拡大していくのだろう。
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