KDDI、直営店にeスポーツ施設 「携帯×異業種」狙いは?:カフェやベーカリーも(3/3 ページ)
KDDIは2月1日、東京・上野の直営店に併設する形でeスポーツ専用施設をオープンした。同社はこれまでも、直営店にカフェやベーカリーなど、異なる業態の施設を併設してきた。「直営店×異業種」の狙いとは?
KDDIが目指すeスポーツビジネスの形とは?
同施設には、ASUSがゲーミングブランド「ROG」 (Republic of Gamers)から、施設向けに特別構成した「ROG STRIX HELIOS」を始め、最新のゲーミングPCやゲーミングモニター、キーボード、マウス、マウスパッド、ヘッドセットなどの機材を提供。これらを使用できるオープンブース、個室ブース、実況設備を整えた配信ルームを、個人に1時間528円からレンタルする。
294インチの高精細なLEDディスプレーを備えたイベントエリアは、最大140人が参加できるイベント会場としても利用可能。こちらは法人のイベント利用を見込んでいるという。
「お客さまと接点を広げるのはもちろんですが、この施設運営自体の事業化も目指しています。法人からのイベント案件の受注が主力になってくると思うので、どちらも力を入れてやっていきたい」と佐々木氏。企画から制作まで一貫して受けられる高いスキルを持ったスタッフを育成し、法人からのイベント受注を目指すという。
eスポーツイベントでは、コミュニティビルディングパートナーとして、プロチームDetonatioN FocusMeを擁するDetonatioNと提携。ファンミーティングの定期開催など、eスポーツを盛り上げるイベントの実施を予定している。イベントではKDDIグループの中部テレコミュニケーションが名古屋に構える、eスポーツ施設「コミュファ eSports Stadium NAGOYA」とも連携し、運営ノウハウを取り込むほか、両拠点を結んだイベントの開催なども検討する。
施設ではゲーミングPCのほか、ゲーミングスマホ、ポータブルゲーム機の貸し出しサービスや、イベントの主催者向けに一定台数のスマートフォンをパッケージで貸し出すようなプランも用意する。
「今後、(5G専用の技術と設備で構成された)5G SAのような通信が発展していけば、モバイルネットワークでも、ゲーミングと相性のいいサービスを提供できる」と佐々木氏。「KDDIでは24年度中に5G SAでネットワークスライシング(ネットワークを仮想的に分割して運用する技術)を使ったサービスを提供できるように準備をしている。実現できたあかつきには、この施設を使って固定だけではなく、モバイルデバイスを使ったイベントなどもできたらと思っています」と話した。
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