なぜ給与が上がらないのか? 残念な“ハリボテ経営者”に4つの特徴あり:高賃金化(2/5 ページ)
日本の会社で給与がなかなか上がらない大きな原因は何か。「経営者」「幹部層」「社員」という3つの観点で見ると……。
では、あなたが働く会社の社長が「ハリボテ経営者」かどうかを見抜くにはどうしたらいいのでしょうか? 「ハリボテ経営者」には、次のような4つの特徴があります。
(1)「言っていること」と「やっていること」が違う
(2) 「他責思考」で、経営の根幹を人任せにしている
(3)自分自身も会社も「もっと成長しよう」と思わない
(4)ビジョンと経営戦略を持っていない
これらを一つひとつ見ていきましょう。
(1)「言っていること」と「やっていること」が違う
よく「全社員が活躍でき、生き生きと楽しく働ける、社員もその家族も幸せになれる企業を目指している」という言葉を、経営方針・理念として掲げている経営者がいます。そう聞くと、「大勢の社員を抱えているのに、この社長は頑張っているな。すごい会社だな」と思います。そんな会社はきっと社員の給与も高いんだろうなと思っていると、実は社員の平均年収が300万円程度だと聞いて驚くことがあります。
そうした会社の経営者には、懸命に経営を頑張っている人もたくさんいますが、中には真摯(しんし)に経営に取り組んでおらず、仕事もそこそこに、毎晩飲み歩いているような経営者もいます。言っていることと実際にやっていることが、まったく異なる経営者の典型です。
そういう経営者の多くは、「今は経営が苦しいが、この商品は必ず売れるはずだから、何とか一緒に頑張ってくれ」「本当はもっと給与を上げてあげたいが、経営状態が厳しくて……。ごめん、もうちょっと我慢してもらえないだろうか?」などと、聞こえのいい優しい言葉を発します。
しかしその裏で、自分だけ楽しみ、経営者仲間にだけ、いい顔をしている。そんな自分のプライドを守ろうとだけするハリボテ経営者もいるのです。そんな経営者に、社員たちはつい「もう少しこのまま頑張ってみよう」と思って、安い給与で働き続けることになるのです。
反対に、「必ずみんなの給与を上げる」と宣言し、経営に真摯に取り組み続けた結果、言葉通りに社員の給与や待遇を徐々にでも上げていける経営者は「ハリボテ」ではありません。彼らは真の経営者であり、同時に「社員と一緒に夢を追っている仲間」と言えます。
判断要素は、「言っていること」と「やっていること」が一緒かどうかです。
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