「○○門○○門」「ガリ○○ガリ○○」? Pマークの駅広告がバズった納得の理由:「おもしろ広告」大解剖(2/2 ページ)
歴史上の人物をクイズ仕立てで考えさせる広告が、SNSなどで話題を呼んでいる。掲載したのは「Pマーク」制度を運営するJIPDEC。広告がバズった納得の理由とは――。
反響が広がった要因は?
――クイズ形式をとりつつ、同時に個人情報保護の大切さを感じてもらうための工夫がとても巧みです。このアイデアはどのようにして着想したのですか?
福岡さん: 駅広告ですので、半強制的に通行する方の目に入ってしまうという点が大前提にあります。そのため、まずは「通行する方々にとって広告が邪魔にならないこと」そして「面白がったり楽しんだりしてくれそうな可能性があるものとしたい」というのが最優先事項でした。
その前提がありつつ「個人情報保護」というのは、”小難しい”、”私は関係ない”と思われがちなものですから、ハードルを下げる、という点を意識しました。また、テーマはもちろん「個人情報」「個人情報保護」としなければならない中で、当然ながら、実際の個人情報を広告には使えない、という制限もあります。このような点から、偉人でのクイズ方式の広告となりました。
――広告を見た人からはどのような反響が集まっていますか?
福岡さん: SNS上で話題だった日の(協会サイトへの)アクセス数が増加していたので、答えが気になりサイトへアクセスしてくれた方が多かったのだろうと感じています。SNSを見ていると、全問正解の方もたくさんいらっしゃり、あれでは個人情報を守っているとは言えない、ということを実感してくれているような意見もたくさん拝見しました。
当協会としては今までにない新しい内容や広告展開の方法だったので、内部のリアクションも大きかったです。個人的には、こういった方法や手段があるということ、「協会らしく」に必要以上に縛られる必要はないということを、一番に後輩たちに感じてほしいと思っていたので、今回の協会内のリアクションは嬉しかったです。
――SNSを中心に大きな反響を集めている要因について、どう分析していますか?
福岡さん: 反響の要因については、さまざまな要因が同時にあった結果であると考えています。リアクションの中で「○番目は誰だろう…?」や「某芸人さん…?」という方がたくさんいらっしゃいましたが、それだけではなく、伏字の箇所を大喜利のようにして遊んでくれた方が想像以上にたくさんいらっしゃいました。クイズ形式のあの広告は、その伏せ方から、想像しやすい誤答に加え、商品うんぬんは置いておいて「遊べる余地・想像する余地」が生まれたことが、結果的にSNS上でのリアクションにつながったのだろうと思います。
また「邪魔にならないように」や「楽しめるように」という観点から、使用するフォントをインパクトを重視して派手なものや重たいものにするのではなく、丸みのあるものにしました。このような、接しにくい題材を接しやすくするためのこだわりで、たくさんのリアクションにつながったと考えています。ただ予想以上の反響ではあり、とても驚いています。
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