学生は「インターン」にもタイパを求めるのか? 加速する就活準備の前倒し:マイナビが調査
25年卒の9割がインターンシップ・仕事体験に参加した経験があるーー。そのような結果が、マイナビ(東京都千代田区)による調査で明らかとなった。就活準備の前倒しが進んでいる中、25年卒の就活の実態とは。
25年卒の9割がインターンシップ・仕事体験に参加した経験があるーー。そのような結果が、マイナビ(東京都千代田区)による調査で明らかとなった。就活準備の前倒しが進んでいるが、学生はインターンシップについてどう思っているのか。
1月時点のインターンシップ・仕事体験への参加割合は前年から3.7ポイント増え89.8%となった。1月は授業だけでなく、後期試験やゼミ・研究室配属の開始により、これまで以上に学業が多忙になる時期でもある。そのため、月ごとの参加率は低下傾向にあるが、累計参加率はほぼ9割と高い水準を維持。25年卒学生がインターンシップ・仕事体験に積極的に参加している様子がうかがえる。
インターンシップについて不安に思うことは、前年同様「インターンシップ選考のエントリーシートを通過できるか」が最多となり36.2%だった。一方で「不安に思うことはない」(9.7%)は前年から5.0ポイント増加し、全体的に不安が軽減している様子が見られた。
就職活動の方向性について「固まっている」という回答は前年より7.7ポイント増加し、64.1%に上った。25年卒のインターンシップ・仕事体験への参加割合は前年よりも高い水準で推移し、就職活動に向けての準備もより進んでいると推察される。
初任給の金額については「平均的な金額であれば、他の条件が希望通りであることを優先する」が最多回答となり46.8%に上った。一方で「平均的な金額よりも目立って高額な初任給であるかを重視する」という回答は8.2%にとどまる結果に。
また「平均的な金額を下回ったとしても、他の条件が希望通りであることを優先する」という回答も7.0%と、1割に満たない結果となった。少なくとも「平均的な金額であること」は前提になっていると考えられる。
「タイパ」を意識したインターンシップ参加、就職活動準備、就職活動についてどう考えるか。前年と同様に「メリットとデメリットが半分半分だと思う」という回答が最多となり、55.5%に上った。次いで「メリットが多い」が続いたが、前年から7.8ポイント下がり38.0%だった。
メリットの方が多いとした人は「時間配分に気を付け、効率性を重視して動くこと」に必要性を感じている一方、「デメリットの方が多い」とした人は「(将来を決める重要なことなので)多くの時間をかけて決めること」に必要性を感じている様子が見られた。
調査は1月20〜31日にインターネットで実施。25年3月卒業見込みの全国の大学3年生、大学院1年生1263人(文系男子176人、文系女子494人、理系男子272人、理系女子321人)から回答を得た。
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